2009年 6月 22日 (月)

       

■ 盛岡市がコンプライアンス条例を制定へ 倫理責務、内部告発明記

 盛岡市は、公金不正経理の再発防止の一環でコンプライアンス(法令順守)条例の年度内制定に向け作業を進めている。15日から条例案の市民意見を募集中だ。職員倫理の保持・徹底と違反行為を内部告発する公益通報制度の2本柱で、不正経理だけでなく市民利益を損なう行為を規制する内容。一方で職員の違反行為が起きた場合の市民への公表が条例に規定されておらず、意見募集の方法にも周知・説明不足との指摘がある。意見募集の締め切りは7月6日。

  意見募集しているのは「仮称盛岡市市政における公正な職務の執行の確保に関する条例」案。公金の不正経理問題を受け、職員の意識改革を徹底し、「市民利益の保護を図る」ために制定する。

  内容は▽目的▽職員の責務(職員倫理に関すること)▽公益通報への対応(違反行為の内部告発)▽不当要求行為▽公正職務委員会と公正職務審査会▽公表などその他−で構成される。条例案には不正経理の文言は一切入っていない。

  職員の責務は「正当な理由なく一部に差別的扱いをしない」「私的利益のため職務や地位を利用しない」「職務の権限行使では関係者から贈与を受けるなど市民の疑惑や不信を招かない」「職務執行に関して十分な説明責任を果たす」など順守事項を定めた。

  さらに市長や水道部、地方公営企業などのトップの任命権者、管理者の責務も掲載。市民にも「職員の公正な職務の執行について理解し、協力する」との責務を求めている。

  公益通報制度は、従前の法律に関する事務から条例や規則など市政一般の事務にまで範囲を拡大。職員や市の委託を受けた関係者が「法令に違反するもの、人の生命、身体、財産、生活環境に重大な損害を与える恐れのあるもの」などを通報の対象としている。

  通報手順は職員で組織する公正職務委員会または弁護士ら第3者3人程度で今回新たに設置する公正職務審査会へ書面で通報する。調査を通じ事実と確認されれば是正、必要な措置を取るよう任命権者らに意見、報告する。通報者や調査の協力者は保護される。

  条例には、不正経理とは別に外部から職員に対する暴力的行為や威圧的言動など社会的な妥当性を欠く行為を伴う要望、依頼などの不当な要求への対応も盛り込れている。

  不当要求に該当すると認められた時点で全内容を記録し、委員会か審査会へ報告する。任命権者は要求者に警告などの必要な措置を講じる。市長は必要があればその名前、警告内容を公表できる。

  条例案では、職員以外による不当要求がその都度公表できるのに対し、不正経理の行為者である職員や委託を受けた関係者の違反行為の公表は制度上に記載がない。年度単位の条例運用の概要公表にとどまっている。

  意見募集は市広報紙6月15日号、同日付けで市公式ホームページにそれぞれ同日からの意見募集開始を告知した。いずれも不正経理や再発防止の文言がなく、直接結びつかない市民も多数いた。

  再発防止決議を採択した市議会にも18日の市議会一般質問で議員が取り上げるまで募集の事実を知らなかった市議がほとんど。「説明が不足している」との声もあった。

  岩野光進市総務部長は条例に公金の不正経理(不適切経理)などの文言がないことについて「公務員としての基本的な素養があれば公金の不適切な経理もないという考えで広く公正な職務の執行で表現している」とし、違反行為をした職員の公表については「今までも議会や報道機関に不正などがある場合に公表しており、制度外でも自主的に公表する」と説明している。

  市は募集締め切り後に内容を取りまとめ、議会に説明する予定。早ければ9月、遅くとも12月に市議会に条例案を提出。可決され次第、施行する考え。

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