2009年 8月 20日 (木)

       

■ 〈北Gのライブトーク〉101 北島貞紀 初盆

 今年の5月、母を送った。実家の自宅で療養していたが、本人からの要望で盛岡市内の病院に入院して5日目のことだった。長年にわたって病気と闘ってきたが、気丈な気質で、病気を表には出さなかった。長年お世話になっている担当医からは「奇跡的なほど生命力が強い」と言われていたが、「もう対症療法でいきましょう」という段階まで来ていた。

  だから今回は、本人ももう家には戻れないかもしれないという覚悟があったようだ。

  入院して2日目、いったん病状が落ち着いたように見えたが、担当医から「いつ、どうなってもおかしくない」と言われ、誰かがそばにいるローテーションをつくった。家族で足りないところは、民間の介護サービスにお願いすることした。

  そんななかで、以前から決まっていたライブ・コンサートが迫っていた。何とかその日が終わるまでは…と祈る思いだった。

  そしてコンサート本番を迎えた。お客様も予想以上に集まり、演奏内容も満足ゆくものだった。コンサートは成功裏に終わった。お客様を見送り、いただいた花束を持って楽屋にもどって、メールを見ると「容態安定せず」と入っていた。

  そのまま病院に直行した。11時過ぎ病室に着くと母は眠っていた。一安心して、差し入れてもらった菓子などを食べて少し眠った。朝2時ころ、目覚めて看護を代わった。

  そして2時間後、母の呼吸が止まった。文字通り、ぼくは母の最期を看取った。

  初盆で、お参りに来てくれた親せきと話した。

  「母は、コンサートが終わるのを待っていてくれたんだね」

  「そうじゃないよ、叔母ちゃんはコンサートを聴きに行ってたんだよ」

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