2009年 8月 26日 (水)

       

■ 〈衆院選岩手1区の情勢〉民主の階氏がリード 自民の高橋苦戦

 衆院総選挙は30日、投票が行われる。盛岡タイムス社は有権者を対象に実施した電話調査の結果と取材で得た情報をもとに終盤の情勢を分析した。民主前職の階猛氏(42)=国民新推薦=が政権交代への追い風を背景に各層へ幅広く浸透し大きくリードしている。自民新人の高橋比奈子氏(51)=公明推薦=は懸命に追い上げるが党への逆風もあり苦戦している。共産新人の吉田恭子氏(28)は2大政党制の流れの中で健闘、社民新人の伊沢昌弘氏(62)は他の野党の勢いに埋没気味だ。幸福実現新人の森憲作氏(52)は独自の戦い。調査時点で4分の1の有権者が投票態度を明らかにしていない。選挙の関心度が高い中で投票率の動向や陣営の巻き返しが選勢を決めそうだ。

  階氏は、達増知事の知事選転出に伴う07年7月の補選に初挑戦し、自民の新人候補に倍差をつけて初当選。土日には地元へ帰り、細かい路地や誰も顔を出さない場所でマイクを握り、国政での活動報告や政権交代の必要性を訴えてきた。本人の実直な人柄も次第に浸透していった。

  達増知事から受け継いだ強固な地盤はもちろん、自らも盛岡市の太田地区など後援会組織の空白域だった地区を埋め、支持層を掘り起こしてきた。自民の強い紫波町の農村部でも支援の動きが出た。調査では男女、各年齢、職業、市町別とも幅広く浸透しており、支持政党のない無党派層にも食い込んでいる。

  高橋氏は昨年9月に擁立され、盛岡市議3期、県議2期の活動実績と実行力を背景に独自策を説き、自らの後援会組織と党支部が連動。自ら民主の政策批判はしないものの「岩手で生まれ、育った」と階氏を意識し「女性の力で政治を変える」と訴えている。

  政権与党への逆風下で党以外の支持も掘り起こす狙いの高橋氏の運動は、調査から無党派層の支持で伸び悩みがある。重要政策に農林水産業を挙げる有権者や農業者の支持を得る一方、農業が基幹産業の紫波郡で遅れを取っている。自民支持層も一部切り崩しに遭い、公明支持も固めきれないでいる。

  吉田氏は昨年9月、党県委員会が1区で初めて擁立する女性候補として登場。全くの無名ながら20代の若さを武器に雇用問題の影響を受ける同世代を中心とした有権者の支持掘り起こしに取り組んできた。比例と連動して運動している。

  2大政党制の流れの中、自公政権、民主中心の野党連立どちらにもくみしない「建設的野党」として必要性をアピール。党の政策を丁寧に訴え、過去数年来の国政選挙で候補として顕著な戦いぶりを見せている。

  伊沢氏は新人中最も早い昨年2月に擁立が公表され、党県連合役員として07年の参議院選に続く国政選挙の挑戦。護憲「平和の党」として県連合の最前線で活動する知名度を背景に、支持する労働組合の応援を受け、比例との連動で党の東北2議席を狙っている。

  民主中心の野党連立の「ご意見番」的立場で存在意義を主張する。しかし調査では党支持層の一部が民主に流れ、共産にもリードを許している。

  森氏は党の県連代表として消費税撤廃と国防の2大政策を有権者に訴え、戦っている。

  本社は22日から24日に盛岡市と紫波、矢巾2町の有権者を対象に電話調査をした。その結果、選挙区の投票態度を保留しているのは26・2%にとどまった。過去数年来の国政選挙と比べて態度決定が早く、今回の選挙に対する関心度の高さがうかがえる。

  投票率の動向も注視される。07年7月補選は61・05%、05年9月郵政解散は67・93%、03年11月総選挙は63・34%だった。無党派層だけでなく政党支持層の中にも決めかねている有権者がおり、最終盤の戦い方いかんで巻き返しや増票の余地もある。


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