2009年 12月 1日 (火)

       

■ 岩山漆芸美術館、惜しまれながら閉館 秋田からもツアー客

     
  閉館した岩山漆芸美術館(11月30日)  
 
閉館した岩山漆芸美術館(11月30日)
 
  岩山漆芸美術館(盛岡市加賀野才ノ神、全龍福館長)は11月30日、施設を所有する市との契約解消により閉館した。韓国スターのペ・ヨンジュン氏を名誉館長に迎え、鳴り物入りで8月に再開したが、ペ氏の所属事務所の出資中止や家賃滞納などが次々と発覚し、わずか4カ月で幕引きとなった。流用により未返還だった雇用基金は期限の30日に全額返還を市が確認した。最終日の同館には県内外から多くの来館者が訪れ、閉館を惜しむ声が聞かれた。

  ■閉館惜しむ声

  県内外から大勢が同館を訪れた。秋田県からのツアー客も見られた。同時に取引業者らも多数業務車両で訪れ、業者同士が駐車場で話し合う場面も見られた。道路を走る車両も「噂の美術館」前を減速して通行した。同館によると開館4カ月間で約9600人が来館したとしている。

  北上市の女性2人組は神戸から日帰りで駆け付けた女性と合流し、閉館を惜しんだ。「やはり買い取らないと存続させてもらえないのか。無償で貸してもいいはず。理解してくれる市議がいればいいが」と残念がった。

  別の女性は「全先生が一生懸命頑張って岩手の漆文化を後世に残そうとしており市なり県などが力を貸してあげるべき。曲がり屋での農業体験や手づくり村のように体験を設ければいい」などと再開に期待した。

  盛岡市内の夫婦は2年ぶりに同館を訪れた。「非常に残念です。漆作品は何度見ても素晴らしい。市が文化に対して熱心にサポートしてくれればいいが単独での運営は厳しい。メセナ事業として一緒に活動できればよかったが」と悔やんだ。

  全館長は現在韓国におり、3日に帰国予定。同日から13日まで同館内で頒布会も開かれる。

  ■再開白紙の姿勢

  盛岡市は、同館運営会社オリエンタルトレジャー(代表・全館長)が未返還だったふるさと雇用対策基金の前払い金の残り266万円全額の入金を確認した。

  返還金のねん出については「関知していない」(池田克典副市長)という。残る債権は契約解消の合意に基づき今月28日が期限の8月から11月までの家賃(使用料)と閉館後明け渡すまでに使用する工房部分の使用料月額9万7千円を含め約220万円になる。

  池田副市長は「流用はしたものの完済して誠意は見せてもらった。このような問題を起こしたのは遺憾だが、使用料は合意解約の手続きに基づき返済を待つ」という。期限の30日を守らない場合は法的手続きの行使も検討していただけに、合意通りの返還にひとまず胸をなで下ろしている。

  頒布会の開催については「(合意に基づく)整理の一環」と認識。施設の原状回復については「特段現状変更しているわけではない」と話している。

  全館長が希望する来春の再開、美術館の継続については「本人がやりたいとか言っても、まずは支払いが済んでから」と白紙であることを強調。全館長個人やオ社に対する民間債権についてはすべて把握していないが「広く市民全体の公金の回収に努めるのが役目」と説明している。

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