2010年 1月 22日 (金)

       

■ 除雪大変、戸惑う市民 「市民運動が必要」の声も

     
  積雪、凍結した歩道のため車道を通行する市民(19日午後、盛岡市本町通2丁目地内)  
 
積雪、凍結した歩道のため車道を通行する市民
(19日午後、盛岡市本町通2丁目地内)
 
  県内は今冬、断続的に雪や厳しい冷え込みに見舞われている。真冬日の続いた影響で路地や歩道などに残った雪が固まり、歩行者が通行に苦労している姿が見られる。市には19日までに300件以上の苦情、要望が寄せられ、対応が追い付かず、行政による除排雪の限界もうかがえる。今後も降雪・積雪が見込まれる中、生活道路に関して「市民一人ひとりが除雪する市民運動を盛り上げるべきでは」との声も出ている。

  ■除雪費不足は必至

  盛岡市内の住宅街の路地などでは湿った重い雪が山積みのまま、歩道や路側帯はアイスバーンとして残っている。高齢者や子ども連れの母親が恐る恐る歩いている。幅員の狭い道路は一層狭くなり、車両の長い列ができるのもしばしばだ。

  市の当初予算の除排雪費は05年度以降、年間5億2961万円から5億9306万円を計上。今年度は5億3757億円。08年度決算では4億9300万円だったが、豪雪だった05年度は17億3400万円と4倍以上かかった。05年度以来の降雪・積雪量なら予算不足は必至だ。

  熊谷優市建設部道路管理課長は「除雪委託業者から12月分の報告を受けて現在集計中。今月末には今月分も含めた見通しが立つ。現時点で昨冬と比べれば今冬の方がかかっている」と話す。排雪は例年3月のみの実施だが、さらに降雪があれば事業費がさらに膨らむのは避けられない。

  市の委託業者の除雪出動基準は降雪10a。5日と13日は午前4時以降から雪が降った。10aに達したのが通勤時間帯と重なった。このため歩道などの除雪が午後以降にずれ込んだ。降雪後に真冬日が続き、解け残った。

  ■「3年分の冬越し」

  市は町内会単位で小型除雪機を貸し出し、地域協働の除雪で高齢者宅の前や生活道路などの確保を働きかけている。保有する貸し出し台数は全部で118台。市全域には到底、行き渡らない。

  そこで、たまった雪を排雪するため町内会単位で2dないし4dダンプを委託業者の運転手付きで貸し出している。80台分を確保しているが、日中は業者も別の業務をしており、大雪後の15日時点で15件が支援待ちの状態だった。ニーズと合致していない。市職員の福祉除雪隊の出動件数は13日現在で4日間14件、延べ18人の出動にとどまっている。豪雪の05年度は14日間117件。08年度は5日間6件だった。

  同市みたけの西野章子さん(32)と母親の恭子さん(76)が盛岡タイムス社へあてた13日付の投書には「路地となれば馬の背中のでこぼこはもとより、滑るやら足を取られるやらで難渋している」「まだ1月も20日前なのに2、3年分も冬を越したように思うほど」などとつづっていた。

  ■除雪を市民運動に

  地域によってスノーバスターズや中学生が地域貢献の一環でボランティア除雪に取り組んでいる。休日に地域住民が軽トラックなどを持ち寄って排雪する町内会もある。市社会福祉協議会が紹介する有償・無償の除雪ボランティアもいる。

  それでも今冬は除排雪が追い付かない。同じ市内でも気象や地形、世帯構成など条件はさまざまで、除雪の取り組みにも温度差がある。

  今冬のような大雪では市の広い範囲を行政がくまなく、同時に除排雪するのは難しい。医療機関は脳こうそくの原因になると高齢者に除雪しないよう呼びかけている。少子高齢化が進めば誰が地域で除雪を担うのか。今後も通行しにくい路面状況は続く。

  市町内会連合会(晴山貞美会長、構成335町内会)の小野敬郎副会長は「市民運動を盛り上げるべきではないか。特定の限られた人がやるのはだめ。みんなの通る道なんだから」と考える。晴山会長も「長い目で、どの地域でも対応できる仕組み作りができれば」と話し、市が旗振り役となって機運醸成を図ることに期待する。

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