2010年 8月 19日 (金)

       

■ 〈お父さん絵本です〉327 岩橋淳 ホネホネすいぞくかん

     
   
     
  2年前にご紹介した『ホネホネたんけんたい』では、市井の「コレクター」たちも参加して、さまざまな動物たちの骨格を究める試みをご紹介しましたが、これが好評を博してシリーズ化、『ホネホネどうぶつえん』(2009)を経て、今回は「海」編の登場です。

  生命の母たる海、初めて骨格を持った生物が誕生したのも、もちろん、海。現在の魚類に分化する前のハイ(肺)ギョをはじめとする古代魚を筆頭に、長い長い時間をかけて、少しずつ進化、枝分かれしてきた幾万種の生命たち。それらはすべて海から、という事実は、現在でも個性豊かなカタチの生物が棲息していることからも推し量ることができます。その意外性、バラエティー感は、陸上生物の比ではありません。

  食卓の煮魚、焼き魚。おはしを巧みに操って身をキレイに骨からはずして味わうこと至難の技ですが、なるほど、びっしり並んだカレイの骨格などを見ると、これはもう降参。当然の事ではありますが、小骨の一本に至るまで、すべてに意味があり、働きがある。

  先日、昆虫の機能美についてご紹介したばかりですが、魚にも独特のメカニズムが要求され、ちゃんと神様は設計、施工、なさっている。海棲哺乳(ほにゅう)類やナマコ、サンゴまで、その環境が育て、あるいは順応して、それぞれの生を営んでいる。これ、あらためて考えてみるとスゴイこと。生き物が身近なこの季節、見方がちょっと、変わりそう、です。

 【今週の絵本】『ホネホネすいぞくかん』西澤真樹子/監修・解説、大西成明/写真、松田素子/文、アリス館/刊、1575円(2010年)。


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