盛岡タイムス Web News 2010年 12月 16日 (木)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉111 及川彩子 クリスマスの広場

     
   
     
  今年もアジアゴの街の公園には、木組みの特設露店が幾つも建てられ、クリスマスマーケット市が始まりました。〔写真〕

  市の店先には、木工・ガラス・陶器や銀細工などのプレゼピオ用品がズラリ。プレゼピオは、イエス、マリアなどの小型人形、馬小屋やエルサレムの町のミニチュアで、キリスト誕生の様子を表わす箱庭です。

  ツリーより、プレゼピオが主流のイタリア。それだけを飾る家庭も少なくなく、そのグッズを毎年買い集めるのも楽しみのひとつです。焼きたてのパイや焼きぐりを食べながら、ホットワインやホットチョコレートなどを飲みながら市場巡りをするのです。

  クリスマス市のオープンは、11月21日の「聖マリアの奉献日」。高齢でやっと子宝に恵まれたマリアの両親が、神への感謝のため、彼女が3歳になった時、エルサレムの神殿に奉献したという日で、この日を境に、各家では、クリスマス準備に取り掛かります。

  市のにぎわいは、年明けの1月6日まで続きます。この日は、東方の3人の博士がイエスのもとを訪れた記念日なのです。

  クリスマスマーケット市の本場はドイツですが、今ではイタリアのどんな小さな町にも、町の特徴を生かした市場が開かれ、年の暮れの風物詩になっているのです。

  今年のアジアゴでは、クリスマス市の傍に、無料のスケート場も開場しました。トリノオリンピック・スピードスケートの金メダリストで、地元出身のE・ファブリス選手をゲストに迎えて大人気。隣町ガリオでは、トナカイとの触れ合い広場が開設され、クリスマスシーズンを盛り上げています。

  雪の日でも、明かりのともる夜になると、さらに人であふれ、にぎわいを増すクリスマス市の広場。この国には、お歳暮も年賀状の習慣もありませんが、何度も繰り出し、一年の締めくくりのあいさつを交す、そんな社交場でもあるのです。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします