盛岡タイムス Web News 2010年 12月 18日 (土)

       

■ 雫石町議会、深谷町長が議案撤回 議員12人審議ボイコットで

     
  一部の議員が再開時間になっても議場に戻らず、審議がストップする雫石町議会  
  一部の議員が再開時間になっても議場に戻らず、審議がストップする雫石町議会  
  雫石町議会は17日、町長の給与を削減する条例の一部改正議案をめぐって紛糾した。審議が始まって約40分後、町長選で前町長を支持した議員12人が審議をボイコット。本会議が再開できない事態に陥った。このため、深谷政光町長は全員協議会を経て議案の撤回を申し出て、収拾を図った。深谷町長が厳しい洗礼を浴びた形だが、傍聴した町民からは議員の手法に批判の声も聞かれた。議会議員は来春、改選を迎える。

 議案は深谷町長の給料月額を任期の2014年11月9日まで10%カットするもので、深谷町長の選挙戦での公約の一つとなっていた。

  午前10時過ぎに始まった同議案の審議は、複数の議員から深谷町長と町当局に対する質問が相次いだ。深谷町長の掲げた公約では三役の給与10%カット、退職金の20%カットが掲げられていたため、議員からは「報酬10%、退職金20%カットをセットで処理すべき」「(特別職報酬等)審議会等をやった上で議会に提出し、議会の承認を得ることが必要だと思う」「喫緊の大きな課題がたくさんある。そういったものを優先してやるべき時にまだ三役も決まっていない矢先に、なぜこの給与の改正だけを優先して行うのか理解できない」などの声が挙がった。

  深谷町長は「町民との対話の中で、ほとんど私が接した方々の意向としてはそれはいいことだと感じた。それも合わせ、今の町民の生活の状況を勘案しながら私がその意志をこのような表現でさせていただいた。本心としては町民の皆さんの生活の顔に合わせて私なりの姿勢として出させていただいた対応なので、理解をたまわりたい」と理解を求めた。

  約40分間の審議後に議員から「休憩」の声があり、平子忠雄議長が同10時50分までの暫時休憩を告げた。再開時刻に議場に戻ってきた議員は、平子議長を含め、加藤眞純、石亀貢、田中栄一、坂下栄一、伊藤哲夫、煙山惣右衛門の7氏のみ。ほかの議員は議場に戻らず、審議が開始できない状態が続いた。

  議場にいる議員から「何とかしてほしい」の声も出る中、同11時10分から急きょ全員協議会の開催が決まった。非公開で行われた同協議会では、議員からさらに質問が出たという。

  議会は昼食休憩を挟んで午後1時15分に再開した。再開後、深谷町長から同議案を撤回したい旨の申し入れがあり、同議案の撤回を日程に追加。日程の順序を変更し、直ちに追加日程として議題にした。

  その後、深谷町長が壇上に立ち、議案の撤回について説明。「本会議における審議、ならびに議会全員協議会における議員各位のご意見を踏まえ、さらに検討を加えるために雫石町議会会議規則第26条第1項の規定により、議案にかかる案件の撤回について議会の許可をお願いする。今後は副町長、教育長を速やかに選任し、議会の同意を得たのち、しかるべき手続きをひいて進め、改めて提案させていただきたいと思う」と話した。議案の撤回については議員からの異議なしの声で許可された。

  議会を傍聴していた上野正昭さん(66)は「ボイコットじゃないか、こんなのは論外。反対するにしても一通り議会はやらなければならないのではないか。なさけない、民主主義に反する」と議員が議場に戻らず、審議が行われない状況に憤った。

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