盛岡タイムス Web News 2011年 3月 3日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉348 岩橋淳 おならうた

     
   
     
  先週は「一発ぶっ放せば我が軍の勝利マチガイなし!」と意気込みながら、うまくいかなかった愚かな国の物語をご紹介しましたが、今週は平和裡に一発、というお話です。もっとも、イキゴミならぬイキスッテしまうとこれまた近隣諸国とのフンソウの元になってしまう恐れもありますので、用心に越したことはありません。

  谷川俊太郎さんは、ことば版・現代の名工とでもいうべき存在感を示す表現者ですが、児童詩・わらべうたの分野での業績は大きなものがあります。今週のご紹介は、そんな中の一編を絵本化したもの。おなじみ、飯野和好さんの絵が効果を挙げています。

  おなら。ゲンカクな先生もアコガレの美少女も、生きとし生けるものなら避けて通ることのできない生理現象。さまざまなシチュエーションで放たれるこの困りものをうたった谷川作品を膨らませ、どこか懐かしい風情の田舎町を舞台に、進行していきます。

  いもくって ぶ/くりくって ぼ/すかして へ/ごめんよ ば……。

  ことばの持つリズム、厄介者だけど憎めない「おなら」の持つ滑稽感が、アクの強い絵とベストマッチ。キイロっぽく可視化されたおならは、「匂い立つ」かと思いきや、むしろ消臭効果さえあって、これが不思議。それにしても、飯野さんの場面設定の妙には脱帽。

  オシモ大好きのこどもたちを集めての読み聞かせでは、大受け必至の一冊です。

  【今週の絵本】『おならうた』谷川俊太郎/原詩、飯野和好/絵、絵本館/刊、1260円(2006年)

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