盛岡タイムス Web News 2011年 3月 19日 (土)

       

■ 津波の破壊力まざまざ 岩手大学リモートセンシングで分析

     
  津波後の陸前高田市の広田湾。今月14日観測の画像。高田松原は完全になくなっている(JAXA、岩手大提供)  
 
津波後の陸前高田市の広田湾。今月14日観測の画像。高田松原は完全になくなっている(JAXA、岩手大提供)
 
  岩手大学リモートセンシング実利用技術開発室の横山隆三名誉教授は、受託研究をしている宇宙航空研究開発機構(JAXA)の地球観測衛星「だいち」の観測データを基に東北地方太平洋沖地震で津波被害を受けた三陸沿岸の画像を作成した。被害前の画像と比較し、海岸線や構造物の変化、津波の及んだ地域などが分かる。17日、報道機関に公開した。

  リモートセンシング(遠隔探査)は人工衛星や航空機で地上を観測し、広範囲の情報を計測、解析する技術。農産物探査、地質調査、災害状況の把握に利用される。

  「だいち」は地震から3日後の14日に、青森県八戸から千葉県九十九里浜まで約700`を観測。横山教授は八戸から福島県小名浜まで500`を画像化(地表解像度10bカラー画像)。昨年8月6日の観測画像(同2・5b画像)と比較して紹介した。

     
  昨年8月撮影の広田湾(同上)  
 
昨年8月撮影の広田湾(同上)
 
  画像を見ると、山田町から釜石市にかけての山田湾、船越湾では養殖いかだが流され、防潮堤が破壊されているのが分かった。大槌町で発生した火災も煙が広範囲に立ち上っているのが見えた。釜石では大きな湾口防波堤が破壊され、構造物が消失していた。

  大船渡湾から宮城県・志津川湾までの画像を見ると、大船渡湾で1960年のチリ地震津波を教訓に築かれた湾口防波堤が消失。盛川の形の変化が被害前の画像との比較で分かった。大野湾の小友漁港は変形していた。

  陸前高田市の広田湾に関しては、湾口防波堤のほか景勝地の高田松原や奥にある沼が見えない状態に。津波は気仙川を5〜7`さかのぼり、山間部手前まで到達していた。ほかに宮城県内の気仙沼の火災や名取、仙台空港の被害も見ることができた。

  横山教授は「田んぼのあぜが消えてしまっているのも分かる。われわれは医師がレントゲンやCTを見て診断するのと違い、ひたすら画像を作ること。農業などそれぞれの専門家から画像提供を求められれば受ける」と話していた。

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