盛岡タイムス Web News 2011年 4月 3日 (日)

       

■ 〈潮風宅配便〉27 草野悟 山田町のおばあちゃん

     
   
     
  わずかばかりの物資を積んで山田の被災地に行ってきました。とても温和で優しいお顔立ちのおばあちゃん、たくさん着込んでダルマさんのようです。意地悪な天気が真冬のような寒気を運んできています。天気図に決闘を申し込みたい気持ちです。

  「今朝頂いたおにぎりです」と真っ白いおにぎりを1個見せてくれました。「こうして毎日いただけるのでとってもありがたいです」と小さい声でつぶやきます。

  悲惨な顔でなく柔和な笑顔を見せながら話しますので、一緒に被災している若い女性が「気持ちが楽になるんですよ。おばあちゃんに助けられる」と言いました。

  おばあちゃんが「自衛隊の人たちは、お昼も食べないで一生懸命捜索してくれます。私たちがお昼にしているときでも休まず捜索してくれます。本当にありがたいことです」と涙ぐみました。

     
   
     
  どこへ行ってもそうですが自衛隊の方々のきびきびした行動、どんなに厳しくつらい場所へも行ってくれる姿を目にします。警察の方々も全国から集まり、信号のない場所などで交通整理に活躍してくれています。おばあちゃんは、こうした方々に守られていることをとても感謝しています。

  帰り際、「これ持って行って」と大曲から届いた援助物資の「三杯もち」を差し出してくれました。避難所で一人1個頂いたそうで、甘いものが必要なときにありがたい支援ですと感謝していましたが、それを「お礼」だと言って断っても聞きません。

  娘さんの分を入れて2個、とうとう折れていただきました。「きっと私って鬼かな」と帰りの車の中で独り言。なにかお礼をしなくてはならない、という律儀な文化こそとても優しい「岩手の力」なのです。

  80歳を超えるおばあちゃん、近くの湧き水くみのお手伝いをしているそうです。ありがとうございました。こちらこそ優しいお気持ちをしっかり頂きました。
(岩手県中核観光コーディネーター)

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