盛岡タイムス Web News 2011年 4月 9日 (土)

       

■ 〈潮風宅配便〉31 草野悟 復活のエネルギー源バッケみそ

     
   
     
  悪夢の震災から、あっという間に4月になりました。無我夢中の3週間でしたので、曜日も日付も消えていました。改めてカレンダーを見てみますと、「あれ何日だっけ?」と戸惑ってしまいます。少し余裕ができたのでしょうか。4月2日と確認できました。

  西和賀町のアドバイザーをしている関係で、震災について協議しに出かけました。その帰りに夏油まで足をのばしました。この大震災の時に温泉か、と怒られそうですが、違います。立派な理由があります。(入浴はしましたが)

  友人、佐々木生太郎、由美子夫婦は、3・11の日、自宅を全て破壊、流された家の跡地でボーっと立っていました。「何にもなくなった」と空元気の言葉が耳に残っています。その後、このお二人はお互いがばらばらに被災地での奉仕活動に取り組んでいます。

  気の張り詰めが弱くなったのか、戦車より強い頑丈な体の佐々木生太郎君が風邪を引いたと奥さんから連絡がありました。「バッケみそを食べたい」とのぜいたくな要望をつけてです。バッケみそづくりにかけては、私は超一流なのです。人が二流と言っても自分で一流というので、とにかく一流です。

  そんなことで毎年採りにいく夏油スキー場の手前まで行った次第です。まだ根雪がたっぷり残り、底冷えのする風の強い日でした。車からはあの緑の蕗の薹(ふきのとう)の姿が確認できません。

  夏油温泉手前の通行止めのところで車を降りて探しましたら、雪の間から顔を出していました。という長いドラマでしたが、たっぷりと採り、昨晩せっせと作ったのがこの写真です。

  陸前高田 酔仙の吟醸酒と奄美の黒糖、被災した山田のおみなやのみそ、藤原養蜂の蜂蜜を加え、先に湯がいて緑色を残していたバッケを加えます。最高の味です。史上最高と言っても過言でありません。

  温かなご飯、春の味。すっかり季節が春になったのを忘れる非情な大災害でしたが、皆さんそろそろ一歩ずつ前に進み始めました。友人生太郎君も、私の一流の味できっと全快するでしょう。我慢強く一歩一歩、「岩手の力」が歩いています。
(岩手県中核観光コーディネーター)

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします