盛岡タイムス Web News 2011年 4月 11日 (月)

       

■ 〈大震災1カ月〉経済をどう立て直す 県中小企業団体中央会、鈴木宏延会長に聞く

     
  震災の経済に与える影響を話す鈴木宏延会長  
 
震災の経済に与える影響を話す鈴木宏延会長
 
  県中小企業団体中央会の鈴木宏延会長に、東日本大震災津波の被害と県内産業界への影響について聞いた。鈴木会長は酔仙酒造(陸前高田市)取締役。当日、自身が陸前高田で津波に遭遇。高田市街が目の前で海と化す様子を目撃していた。鈴木会長によると、三陸沿岸の製造業は8割方が被災したという。復興に当たっては、同会が創業のつもりで支援するとしているが道のりは険しい。県内外に対して、経済活性化のため過度な自粛に陥らないよう求めている。(鎌田大介)

  -地震に遭遇したとのことだが。

  鈴木 盛岡から大船渡に行くバスに乗り、峠の入り口で大きな地震に見舞われた。そのままバスで住田に行き、世田米で会社の車が迎えに来た。車が5分遅れて幸運だった。住田で乗り換えて右手に気仙川を見ながら高田に下っていった。横田を過ぎ竹駒あたりで川をごみが上ってきた。大変だからすぐ戻ろうと車をUターンしようとしたら、大きな波が200b先に見えた。女の人が走っていたので乗せて逃げた。玉川温泉に行く道に逃げて1分ほどしたら、来たところを川が逆流していた。玉川温泉経由で峠の頂に出て、途中に高田湾がきれいに見えるところがある。海に汽船のようなものが見えた。キャピタルホテルだった。ホテルの200b先に海があるはずなのに、ホテルが海の真ん中にあった。

  -県内の酒造業、製造業の被害は。

  鈴木 酒造業界は高田の「酔仙」、宮古の「男山」、大槌の「浜娘」がやられた。内陸の蔵元も地震の被害があった。沿岸の製造業は無傷なのは20%残っているかいないか。

  -中央会としてどのような支援をしていくか。

  鈴木 4月になったら計画を立ててやっていきたいが簡単にはできない。復興への意欲のある企業に出てもらい、そこを中心に地域おこしと地域活性化をしていきたい。それに伴い周りの企業も一緒に復興していくので頑張ってほしい。中小企業団体中央会は4月、臨時に大船渡、宮古、釜石などで3回にわたり相談会を開く。金融や復興のプログラムや手段など創業の手助けのつもりで。技術は残っているから、それをどのように生かしていくか相談しながらやっていく。中小企業団体中央会は全国組織なので、全国組織を生かすと必要な物は相当そろえられる。何が必要か、復興のための相談に応じて資材や原料の確保あっせんに応じたい。

  -大企業が計画停電の影響で操業が低下し、県内中小にしわ寄せが及ぶのでは。

  鈴木 大手の下請けは宮古山田地区が多い。あとは下請け関係の仕事は内陸の方が多く、沿岸地区は食品加工が多い。その他原料の仕事がある。水産加工品を作っているところは現場の水産業がいつ復旧できるかが大きな課題。工場で商品を作るのは七つか八つか十の商品の集まり。レッテルや王冠や酒もそうだし、魚では味付けもある。その組み合わせの中で何かがないからできないということがある。それをお互いやりくりすることがあるなら、お世話をしたい。

  -自粛が経済に与える影響は。

  鈴木 副次的、2次的に観光客が来なくなる影響が大きい。岩手に観光客が来なくなると大変だ。いかにして岩手が大丈夫だとPRするか。いろんな方に協力を求めていきたい。6月になったら岩手の企業がこんなに回復したと、食品産業を中心にこんなに回復したという物産展を県内外にPRしたい。新幹線も通るので、どん底から立ち上がり復興に向かって進んでいくのをPRしたい。2次的な影響が出てくるのであまり自粛しないでお金を少しずつ使ってもらうのが地域経済に一番結びつく。地域の活性化のため地域のものをPRして、花見も自粛しないでやってもらい、岩手の酒をどんどん飲んでもらいたい。今年の岩手の桜は全国でもトップクラスの見事さになると思う。

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