盛岡タイムス Web News 2011年 4月 21日 (木)

       

■ 〈東日本大震災津波〉
   つながるまごころ運動 県内旅館など売り上げの一部を被災地へ

     
   
     
  県観光協会の呼びかけで県内の旅館・ホテル、観光施設、飲食店などが売り上げの一部を被災地への義援金として贈る「つなげる・つながるまごころ運動」が20日、スタートした。全国的に自粛ムードが広がっている中、県内の宿泊施設や飲食店は直接的な施設被害がなくても客の激減で売り上げ減を強いられている。岩手の観光産業が元気なことをアピールして誘客促進、地域経済の活性化を図り、被災地への支援を図ろうというもの。参加施設を募り運動を拡大していく。

  20日は佐藤義正県観光協会理事長、沢田克司県観光誘致協議会長、大沢幸子いわておかみ会長が県庁を訪問。達増知事を訪問し、運動開始を宣言し、運動拡大へ県の協力を求めた。

  佐藤理事長は「今の私たちに課せられた責務は、共に手を携えて元気な岩手を取り戻すこと。それぞれができることを精いっぱい努力することによって、1日も早い復興のお手伝いをする」として同運動開始の宣言文を読み上げた。

  これに対し達増知事は「復興をより確かなものにしていくためにも県内の観光をはじめさまざまな産業活動の活発化を図りながら、これを被災地の支援につなげていくことが大事。この運動は被災者の心情に配慮しつつも行きすぎた自粛はむしろ復興の妨げになると、観光をはじめ地域の活性化に資する取り組みを大いに期待している」と述べ、運動への協力を約束した。

  運動は県内の観光関連施設等で売り上げの5%を目安に義援金として贈る運動を展開し、協働して県内景気を支えて同時に被災地復興を支援し、震災による消費活動の減少や自粛ムードの払拭につなげるのが狙い。

  県観光協会が主催し来年3月までの期間を予定している。運動開始と同時に参加施設を募集。観光協会など3団体の関連会員のほか、飲食業等からの参加を期待している。参加施設は配布される参加証を施設に掲示。同協会ではインターネットの県観光ポータルサイト「いわての旅」において施設名、店名を掲載するなどPRする。

  同協会によると3月11日の発災から4月17日まで、県旅館ホテル生活衛生同業組合の会員約330のうち回答のあった188施設で24万336人の宿泊キャンセルがあった。予約のほぼ100%に近いキャンセルとみられる。県内には被災した施設も含め約900の宿泊施設があり、全体ではさらに大きなキャンセルがあった。

  佐藤理事長は大型連休の予約も平均で部屋の1割程度とみており、「いまだ好転の兆しは見えない。(観光産業は)壊滅状態だ。岩手・宮城内陸地震の何十倍もの影響がある。いつ回復するのか分からない状態。新幹線が再開すれば少しずつ回復してくると思う」と危機的な状況を語る。

  「日本人らしい思いやりがオーバーアクションとして出てしまった。むしろ岩手に来てもらって励ましてほしい」と訴える。今後は東北全体として、復興につながる誘客に向けた行動を起こす予定という。

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