盛岡タイムス Web News 2011年 4月 23日 (土)

       

■ 〈不屈の意志〉保険金内で収まる家を 日盛ハウジング遠藤社長に聞く

     
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  盛岡市天昌寺町、日盛ハウジングの遠藤渡社長に東日本大震災津波に伴う住宅産業の対応を聞いた。「パルコホーム」の同社は三陸沿岸に高いシェアを持ち、津波で家を流された顧客は多いという。地震保険で収まる予算で施工できるモデルを供給し、売り上げの一部は復興の義援金に充てたいという。地場のハウジングメーカーとして、地元主導による復興を求めている。
(鎌田大介)

 |施主に被災者は。

  遠藤 県内で内陸から沿岸に事務所を出して活動している会社は数少ない。沿岸地区の久慈から高田、気仙沼まで沿岸ラインではうちが一番やっていると思う。被災されたお客様の数は多い。全国放送のテレビを見ていたら、家を引き渡して2、3日で流された人がいてやるせない思いをした。うちも例外ではなく何人かのお客様がいて、工事中の家も流された。社内では大船渡の盛駅近くに支店があったが、その2、30b手前で津波が止まった。社員3人が家を流された。

  |被災家屋のリフォームの受注は。

  遠藤 リフォームで済むのか1回見てほしいという方が多い。床上より水をかぶったが柱は残っているし、リフォームで大丈夫か見てほしいと。家を流されて避難所暮らししている人にも「もう一度」という人がおられるのでお手伝いしたい。

  |被災地向けにどのような住宅を。

  遠藤 地震保険に入っている人は建物の評価の半分しか(保険金が)入らない。降りたお金で全部の建て替えはできない。仮設住宅は2年しかいられないし、仮設にも入れない人がたくさんいる。建てたい人が建てやすいよう1千万円を切るような商品提供する必要があると思う。面積は大きくなくても2千万円の家なら地震保険の1千万円の範囲内で建てられる住宅を提供するのが沿岸で仕事をしてきた恩返しで、被災者が買いやすい住宅を造るのがわれわれの使命だと思う。売り上げの1%を災害の義援金に充てたい。

  |地震に強い家づくりは。

  遠藤 うちは木造在来工法でやっていて、今回の地震による倒壊はほとんどない。ひびが入った程度で、大きな修理を必要とする物はなかった。ある程度の耐震住宅はできている。ただ津波は、地元の一中小企業ではどうにもならない。津波と火災の被害では。阪神大震災では建築基準法ができる前の木造がかなり壊れた。それ以降の国が基準を決めたあとの物は大丈夫だった。オール電化が普及して火災の危険は少なくなったが、長い停電があった。

  |今後の復興の見通しは。

  遠藤 宮古、釜石に2、3年の長期にわたり営業所を出してお客様をフォローしたい。宮古の年間着工は累積で多く、OBのお客様の数も結構ある。釜石も同じく被災されている人がいるのでご相談に乗りたい。仮設住宅は岩手も民間の地元に依頼がスタートすると思うが、今までは地元ではなくプレハブ協会など組織に発注している。完成された仮設住宅は地元企業の手によるものではない。至急のときは仕方ないが、これからの復興を考えたとき、全部大手でいいのかという思いが地元企業としてある。お手伝いしたい。わたしたちだけでなく、多くの岩手の建築をやっている人は皆さん思っている。なかなか手段が速やかに出てこない。そろそろ地元の出番ではないかと思う。被災された方の雇用を作り出しているのは良いことだ。

  被災した沿岸の企業はたくさんあるが、内陸の企業も沿岸で仕事をしていたり取引があったり、いろんな形で影響がある。それがこれから顕著に出てくると思う。そういった分でやはり半年ほど岩手の経済が心配だ。それ以降、復興は盛んになると思う。そうしなければいけない。

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