盛岡タイムス Web News 2011年 5月 13日 (金)

       

■ 復興費用に7兆円 県が試算し市町村に説明「国体経費の財源ない」

     
  柳村村長ら滝沢村側(左側)に説明する西村課長(右)ら  
 
柳村村長ら滝沢村側(左側)に説明する西村課長(右)ら
 
  県は、達増知事が2016年の2巡目岩手国体開催を「困難」と表明したことについて、県内全34市町村へ説明行脚している。理由の一つが財源不足。県によると今回の大震災による県内の被害額は4兆3千億円と見込み、復興総費用に7兆1千億円がかかるとの推計値を示している。うち県負担は1兆円と弾いており、とても国体のための競技施設整備などに振り向ける財源はないとの考えを示している。

  県は9日の盛岡市などを皮切りに、17日までに全市町村に説明する。12日は矢巾町と雫石町、滝沢村など内陸と久慈市など沿岸の市町村を担当者が回った。滝沢村では政策地域部国体推進課の西村豊総括課長ら3人が訪問。柳村典秀村長、盛川通正教育長らが出席した。

  西村課長によると、推計値は95年の阪神大震災で被害を受けた兵庫県を例に計算。兵庫では被害額9兆9千億円に対して復興総費用16兆3千億円、うち県負担が2兆3千億円だった。

  「県負担1兆円」については、県の09年度税収が1千億円でその10倍に相当し「国の支援のありようにもよるが、もっと手厚ければ低くなる」と説明。一方で1兆5千億円ある県の借金も踏まえ「仮に復興費用を全額手当てされても今後税収が下がっていけば、通常業務を行う税源がなくなる」と考え方を披露した。

  県によると国体の施設整備や運営の費用には118億円が必要と試算。そのうち66億円は市町村の施設整備や運営補助金。各市町村による全国PRの経費などは含まれていない。縮小開催や中央競技団体に指摘された施設整備の見送りが認められても「整備にゼロ円はありえない」と指摘した。

  二つ目の理由は人員不足。

  今年度19人の確保に対して復興局が45人体制でスタートするなどして実質配置は12人。この中でも一時的に沿岸支援に派遣されている。年度ごとに必要人員は増え、15年度には100人規模になるが、復興計画・事業にも人員が必要になると、確保が難しいという。

  西村課長は11日に日本体育協会へ同様の趣旨を説明。日体協自体は人的、財政的支援は不可能との見解を示した。国の場合は施設整備を復興支援として手当てしても、開催自体の支援の有無には懐疑的だったという。

  「知事は2巡目国体はやりたい。県内でできない競技を他県で開催はしたくない。考えは延期だが、日体協はそれを中止と受け止める」などと述べた。

  県は市町村へ説明後、県体協の評議員会へ今月20日、理事会へ30日に説明する予定。日体協は県の説明を踏まえ、6月23日の国体委員会で内容を協議する。

  開催については本来6月に県が開催申請し、同委員会を経て7月か8月に内定を受ける予定だった。現状では6月までに開催の可否を判断するのは難しいと考えている。県は中央、県内の競技団体との協議に2、3カ月かかると見込んでいる。


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