盛岡タイムス Web News 2011年 5月 13日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〜三陸の津波被災現地から〉45 草野悟
    切手を貼って支援物資

     
   
     
  避難所の生活は「普通の生活」からかけ離れたものです。小さな間仕切りがあるところはましなほうで、布団そのものが敷地のところもかなりあります。そこで約2カ月耐えるしかない環境なのです。

  そこに全国、県内各地から多くの支援物資が届きます。被災当時は県、市町村の手配による生命維持物資をいち早く届ける作業で混乱しました。落ち着いてきた今は、それぞれの避難所に民間レベルで直接持ち込むことが多くなっています。

  送った方には申し訳ありませんが、古着などはハンガーにかけられ「自由にお持ちください」という張り紙がむなしく、膨大な量が避難所の一角を占めています。中には「相当痛んだ古着」もたくさんあります。そういうものを「どうぞ」というのも考えなければなりません。やがては「ごみ」に変わります。

  盛岡のある旅館に名古屋から物資を送り続けてくれる方がいます。名古屋の千葉洋子さんと南部佳子さんです。箱の上には切手がびっしりです。趣味で集めていた切手を惜しげもなく使い、今まで何千枚使ったかと驚くほどです。15円切手や1円、10円の1シートをそのまま貼ってあります。箱の中は、新品の男物のシャツや仮設住宅に入ってからの「役に立つもの」などがびっしり。まったく無駄にならない方式なのです。

  旅館の女将さんが現地の情報を伝えてくれるからです。私も「潮風宅配便」の業者。喜んでいただけるところへ運ぶのがこうした善意へのお手伝いと思っています。何百とある避難所が、こうして点と点で結ばれていくと笑顔が広がりますね。
(岩手県中核観光コーディネーター)

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