盛岡タイムス Web News 2011年 5月 17日 (火)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉281 八木淳一郎 星の呼び名

     
  プレアデス星団(16a反射望遠鏡+ニコンF2、ISO1600フィルム(FUJI)、露出10分、2002年10月19日、早坂高原にて。盛岡天文同好会・作山智規さん撮影)  
 
プレアデス星団(16a反射望遠鏡+ニコンF2、ISO1600フィルム(FUJI)、露出10分、2002年10月19日、早坂高原にて。盛岡天文同好会・作山智規さん撮影)
 
  いきなりですが、ロシアはロシアでしょうか、ロシヤでしょうか。また、イタリアはイタリアか、それともイタリヤと表記するのが正しいでしょうか。

  星空でまぎらわしい例に、すばるの西洋名であるプレアデスがあります。ある学校の試験でプレアデスと書いた人は×でプレヤデスが○とされることがあると聞きました。

  ほかにもカシオペアとカシオペヤなど、もともと西洋の名前を日本語の発音に直して表すとなると、微妙なところは表現しきれないのは仕方のないことで、こうしたデリケートなことは少なくとも試験問題にはしない方がいいのでは…と思うのですが。

  星や星座の名前は時代や国によっても違いますが、現代においてはいわゆる学名というのが世界共通の呼び方となっていて、これはラテン名が基本となっています。日本語に表すとわずかな違いはあるものの、おおよそローマ字読みでいけばいいようです。もちろん星座には和名がついていますので、こちらの方がなじみやすいかもしれません。

  かつては漢字でも表されていましたが、今は全部かな表記とすることになっています。

  例えば白鳥座ははくちょう座、琴座はこと座、大熊座はおおぐま座、というようにです。プレアデス(プレヤデス)の和名であるすばるはあまりにも有名ですが、わが国ではほかに、むつら星(六連星)、ごちゃごちゃ星、はごいた星などの呼び名があったようです。

  星座でヘルクレス座というのがあります。映画などでヘラクレスという方がおなじみでしょうが、星座ではあくまでヘルクルスが正しい名前です。同じようにペガサスという羽のある空を飛ぶ馬がありますが、星座名はペガススですので、ご注意?ください。

  明るい星の名前のベガやアルタイルなど、その多くはアラビア語に由来するものです。ヨーロッパの科学や天文学は今でこそドイツやフランスなどが主流ですが、かつては中近東の国々が中心になって発展し、そのころの星の名前が今に受け継がれています。もちろん織り姫星や彦星などいくつかの星には愛すべき和名があります。

  一方、ギリシャ文字も使われています。星座を作る星の中で一番明るい星、すなわち主星はアルファ星、2番目をベータ星、以下、ガンマ、デルタ…と続きます。

  見上げてごらん夜の星を…の歌詞にあるように、名もない星はそれこそ無数にあるのですが、それらは座標で示すことで区別するようになっています。ちょうど地上における緯度経度と同じように、これをそのまま天に当てはめて天の赤道を基準にした赤経、赤緯で表します。
(盛岡天文同好会会員)

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします