盛岡タイムス Web News 2011年 5月 17日 (火)

       

■ 〈不屈の意志〉真珠苑ホールディングス・鈴木稔社長に聞く 予約数百件が消滅

     
  鈴木稔真珠苑ホールディングス社長  
 
鈴木稔真珠苑ホールディングス社長
 
  真珠苑ホールディングス(鈴木稔社長)は、同市大通をメーンに、飲食やサービス店など40店を経営。社員やパート約400人の従業員を抱える。大震災で厳しい経営を強いられ、2カ月を経過してもまだ店舗の営業は震災前に復帰していない。鈴木社長(64)は盛岡さんさ踊り実行委員会企画業務宣伝部会長、大盛岡神輿祭実行委員長など祭りの推進役も務める。被災状況や復興に向けた取り組みなどについて聞いた。(大森不二夫)

  -地震発生時は。

  鈴木 当社はCITY33、サンシャインビルなど大通の路面にビルがあり、飲食店などが入っている。1年で一番の稼ぎどきだった。大通が一番、人であふれる時期でもあった。3月、4月で歓送迎会の予約が数百件も入っていた。従業員も臨戦態勢でいた。それが地震でいっぺんに吹き飛んだ。全ての電気が消えた。夜は真っ暗になった。このような大通を見たのは初めて。予約はキャンセル。大きな損害を抱えた。それから電気が戻り営業が開始できるまでビルの前で弁当を販売した。電気が復旧し、少しずつ店を開けたが客が来ない。仕事がないため板前やシェフらはこの先どうなるか不安がっていた。緊急事態なので社員には出てきてもらったが、パートの従業員には自宅待機してもらった。店に客が来ないのだから仕方ない。パートで生活費や娯楽費を稼いでいた人も大変だったろう。稼ぐ場所がない。経済が動かなければ街も地域も死んだも同然。さまざまな所に2次被害が及んだ。

  -2カ月経過したが。

  鈴木 まだ2店、開店を見合わせているが、ほかは4月上旬くらいからほぼ開店している。パートも以前のように働いている。売り上げはまだまだ厳しい。一般市民の来店の回復は遅い。ただ県外の人の需要が増えたのは驚きだ。市内のホテルに泊まり、沿岸の復興支援やビジネスのために来県している。店舗では関西の言葉が飛び交っており、あすの打ち合わせをしている様子などもうかがえる。飲食店だけでなく、疲れた体を癒やすためにエステ店の利用も増えている。特需とまでは言わないが県外客の消費でどうにか支えられている面はある。
     
  真珠苑グループが経営するCT33ビル  
 
真珠苑グループが経営するCT33ビル
 

  -被災地支援に出かけているが。

  鈴木 最初、被災に遭った宮古の親戚の安否確認のために現地入りした。本人は無事だったが家屋はやられた。それから数度、三陸の被災地に出向いた。盛岡青年会議所OBとして義援金を届けたり被災に遭った神輿関係者に野菜や米などを数回、運んだ。どこも大変な惨状。戦争で爆弾を落とされような光景と感じた。当社も大変な状態ではあるが、この惨状や避難所生活を目の当たりにすれば小さい小さい。

  -内陸部や盛岡は被災地のために何をすればよいか。

  鈴木 自粛はやめ、通常の生活をし、地域の祭りに参加し、元気を出すこと。盛岡にも沿岸部の人が増えており、彼ら彼女らを元気にする。住まいも大切だが雇用を生み出すこと。人が増え元気になれば雇用は生まれる。祭りを中止にすることはばかげている。6月5日の大神輿祭りは実施する。毎年、沿岸部からも神輿を担いで参加している。しかし、今年は無理。神輿の数は半数ほど減るがやる。桜山神社から出発して大通を練り歩く。沿岸部からもぜひ担がせくれと担ぎ手は来る。ありがたいことだ。さんさ踊りも例年通り行う。開催前に被災地に踊り手らを連れ、キャラバンして回るつもりだ。祭りを通じて盛岡と沿岸が結ばれ元気になる。これが一番だ。これからの盛岡の主要産業の一つは観光だ。観光産業が活性化すれば盛岡も沿岸も潤う。民間ができることはすぐに行動することだ。祭り、飲食、観光地、宿泊などをパッケージにしアピールする。平泉が世界遺産本登録になれば、仙台との戦いも出よう。盛岡が観光でリードしないと次につながらない。今、私ができることは祭りで盛岡を活性化させ、地場の商店や企業を元気にすることだ。

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