盛岡タイムス Web News 2011年 6月 4日 (土)

       

■ 〈不屈の意志〉いわて生協・飯塚明彦理事長に聞く 共同購入事業を再建へ

     
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  いわて生協(本部・滝沢村)の飯塚明彦理事長に、東日本大震災津波の生協事業への影響を聞いた。沿岸部でシェアが大きかった共同購入事業が大きな打撃を受け、厳しい運営を迫られているという。被災地の仮設住宅に地域コミュニティーを回復するため共同購入の利用を薦める。生協事業の再建と被災地復興に足並みをそろえて取り組む。(鎌田大介)

 |震災の被害は。

  飯塚 本部の入り口が壊れ、店舗は水沢、一関、青山に被害があった。メールシステムはサンネットの東北事業連合が仙台に置くサーバーが壊れた。免震装置の想定を超え、システムがダウンして連絡が取れなかった。

  対策本部を立ち上げ、近年地震が多かったので災害時の体制を全部決めていた。状況把握と安否確認からスタートした。組合員は沿岸市町村で4万2千人。2週目に共同購入利用者を調べた。軽油がなくて動けなかったが、安否確認に歩いて共同購入利用者は全部調べた。

  生協活動のコープリーダー、こーぷ委員は亡くなられた人が4人、安否不明3人。家族死亡4人、住宅被災52人。職員は灯油配達の契約の人が亡くなり、釜石の共同購入で仕分けのアルバイトをやっている人が行方不明。職員の家族は死亡16人、安否不明19人。住宅被害は86人、職員2千人のうちでもそのくらいあった。施設被害は釜石と大船渡の共同購入施設が津波でやられた。共同購入のトラックは11台損失。修繕費を含めて1億3千万円に上る。

  決算的には2010年度は1億の黒字見通しだったが、2億の赤字決算。11年度は2億8千万円の黒字を予定していたが、4億7千万円の赤字の予算を組まざるを得ない。

  震災を受けて一番大きかったのは共同購入が止まったこと。この影響が非常に大きく、修繕費と合わせて震災被害は約12億円。共同購入の利用の純増は1年間に約600人だった。安否確認に行っても、収入がなくて共同購入を利用できない人がほとんど。震災の前後で4千人くらい減っている。

  |どのようにして再建するか。

  飯塚 柱は共同購入の利用者をどれだけ元に戻すか。どれだけ短期間に4千人マイナスを戻すか。われわれが共同購入を回復するのは事業だけでなく、沿岸部でだいぶ店がなくなったことによる。共同購入は便利な仕組みで毎日届く。今は950アイテムあり、ほとんどの商品がそろい、毎週注文すれば決まった曜日に届く。被災地は食糧確保で困っているので、便利で重要な食糧確保の社会的インフラとして機能する。

  共同購入にあまり関心がなかった人も、店で買うところがない。そこにきちんと共同購入の便利さを広め、商品を確保できるようにするのは沿岸地域の復旧復興に役立つ。これから仮設住宅ができるので
、そこにきちんとお知らせする。仮設住宅は隣近所のつきあいが薄くなりがち。3人以上の班で集まるので地域コミュニティーを作る点からも役立つ。共同購入利用者は1万8600人から4千人の2割強が失われた。

  |東北復興のため何が必要か。

  飯塚 復興は長期にわたる。都市部と違い沿岸部は漁業者。船と港湾の整備が進めば漁業資源はあるのだから。漁協と話すと、船があれば漁業資源を取りに行けるし、漁業者は一刻も早くやりたいと思っている。

  岩手県は養殖漁業が盛んで、いかだや船があればワカメは来年、ホタテやホヤは2、3年で取れる。海の底のがれきの問題もあるが、ウニ、アワビも含めてインフラをもう一度整備すれば、一定の収入に引き上げられる。沿岸の水産を中心にした産業復興をどうするか、魚は漁期に合わせて適切に整備すれば収入が入る道がある。水揚げしても水産加工場が復活していないので、企業経営者への財政支援や、水産業に関わるトータルなインフラ整備をどうするかが課題だろう。

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