盛岡タイムス Web News 2011年 6月 14日 (火)

       

■ 〈東日本大震災〉
 内陸児童の思いを伝える 紫波町14小中学校代表が大槌町吉里吉里小訪問

     
  メッセージを渡す赤石小の菅原穂乃佳児童会長(右)  
 
メッセージを渡す赤石小の菅原穂乃佳児童会長(右)
 
  紫波町の小中学校の代表5人が9日、大槌町立吉里吉里小学校を訪問し同町内の7小中学校の児童生徒に宛てた紫波町内14小中学校の児童生徒のメッセージを届けた。内陸で支援活動を続け復興に向けて支えていく思いを伝えた。町内の小学校で唯一被災を免れた吉里吉里小学校には4月25日から赤浜、安渡、大槌北が入り、仮設校舎が完成するまでの間、一つの校舎に4校の児童約360人が通う。津波の強烈な恐怖から心のケアを必要とする児童もいるという。(荒川聡)

  紫波町の児童生徒たちが吉里吉里に向かうまでの沿岸地域の光景は、がれきの撤去が進んでいる宮古市中心部、山田町を通り、大槌町に入ると震災から約3カ月が経過しても積み上げられたがれきが続いていた。津波の破壊力を見せられた児童生徒たちは強い衝撃を受けたという。

  赤石小児童会長の菅原穂乃佳さん(6年)は「被災地の状況はテレビでしか見たことがなかったので、実際に見てとてもひどい状況になっていることが分かった。同じ岩手県なのにあまりにも違い過ぎる。早く復興して震災前のように皆さんが楽しく暮らしてほしい」、紫波一中生徒会長の尾形広志君(3年)は「車の原型が分からないほどつぶれていたり、津波で破壊された家屋など、今回の震災津波の巨大さが良く分かった」と、それぞれ話していた。

  受け渡しには大槌町側が吉里吉里小内の4校の児童会長、山田町内の県陸中海岸青少年の家を使用している大槌小の児童会長、大槌中と吉里吉里中の生徒会長ら9人。紫波町からは赤石、水分、彦部の各児童会長、紫波一中の生徒会長、ペットボトルキャップ回収による収益でノート100冊を購入した同中JRC委員長の5人。
     
  4校の児童が学ぶ吉里吉里小の校舎  
 
4校の児童が学ぶ吉里吉里小の校舎
 

  侘美淳紫波町校長会長が「皆さんとわたしたちは同じ岩手の人間、今こそ支え合いをキーワードにしたい。紫波町と大槌町との交流は26年続いており、今回の震災支援で絆が深まった。支援は物を送るだけでなくいろんなレベルでやっていく、私たちの気持ちが皆さんの支えになれればありがたい」と話し、心の支援のためメッセージを届けた理由を説明した。

  メッセージは大槌小には紫波町の日詰、赤石小の児童から、大槌北小には古館小、赤浜小には水分小、吉里吉里小には片寄、上平沢両校、安渡小には赤沢、長岡、彦部、星山、佐比内の5校から、大槌中には紫波一中、吉里吉里中には紫波二中と三中の両校の生徒からのメッセージが渡された。14小中学校で取り組んだ募金の総額76万8994円が渡された。

  大槌中の新田洸太郎生徒会長(3年)が「3月11日のあの日、私たちは多くの大切なものを失った。たくさんの支援を受けながら、私たちは自分たちの学校と町を復興させるべく強い心と前向きな姿勢で日々頑張っている。紫波町の皆さんからの応援はありがたく、心強い。どれくらいの時間がかかるのか分からないが、町と学校が復興した時にはお礼に伺いたい」と感謝の気持ちを伝えた。
     
  安渡小の黒沢琴音児童会長(左)にメッセージを紹介する彦部小の佐藤観月児童会長(右)  
 
安渡小の黒沢琴音児童会長(左)にメッセージを紹介する彦部小の佐藤観月児童会長(右)
 

  同中校長で町校長会の沼田義孝会長は「皆さんの前にいる生徒の代表の中には家を失った子もいるが、命が助かりありがたいと思っている。あの日津波で町内の各小中学校には教室の中に車が流れたり、火災が発生した。各小中学校では残った吉里吉里小学校、吉里吉里中学校に分散し、大槌小は青少年の家、それも体育館に仮設の教室を作って、そこで勉強している。皆さんが大変苦労して集めた義援金は子どもたちのために使わせていただきたい。皆さんからのメッセージを一つ一つ思いながら力をもらい、ますます頑張って内陸に負けない子どもたちになればと思っている」と紫波町の児童生徒の気持ちを受け止めた。

  模造紙を人工衛星のアンテナのように折ってメッセージを作成した彦部小の佐藤観月児童会長(6年)は「みんなで読んでもらって、このメッセージで元気になってもらいたい」と話し、受け取った安渡小の黒沢琴音児童会長(6年)は「とてもうれしい」と笑顔を見せていた。

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