盛岡タイムス Web News 2011年 6月 27日 (月)

       

■ 世界がくれた復興への希望 平泉世界遺産登録、喜びに包まれる県民

     
  会見で念願の登録に喜びを語る中尊寺の山田俊和貫首  
 
会見で念願の登録に喜びを語る中尊寺の山田俊和貫首
 
  「平泉の文化遺産」の世界遺産登録が正式決定し、地元平泉町民をはじめ長年、登録に尽力してきた関係者や県民や市民も大きな喜びに包まれた。世界から関心が集まることは、東日本大震災津波から復興を果たさなければならない本県にとって明るい光となる。浄土思想に基づいた世界に類を見ない文化が築かれた「平泉」。その遺産の価値を守り、広く発信していくことが県民一人ひとりに求められている。

  文化庁などによると、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第35回世界遺産委員会での「平泉」の審査は、現地時間の25日午後5時16分(日本時間26日0時16分)から始まり、同日午後5時50分(日本時間26日零時50分)に登録が決議された。国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告通り、柳之御所遺跡は構成資産から除外された。

  審査の中では、柳之御所遺跡を含めても良いのではないかとの意見もあったが、最終的に除外が適当と判断。資産の名称は委員会国の意見で変更されず、「平泉|仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」が採用された。文化遺産に震災による大きな影響がなかったことも審査の冒頭、議長から紹介された。

  登録の決議文には、3年という短い期間にイコモス及び世界遺産委員会の勧告を尊重して、非常に優れた再推薦を行ったことを賞賛するとの意見も付記された。

  登録決議後、達増知事は委員会会場でスピーチ。「平泉の登録は3月11日の惨禍からの復興という途方もない任務に現在直面している私たちに対し、大きな勇気を与えてくれる」と述べ、登録決議と東日本大震災津波への世界からの支援に感謝した。

  ■県庁に職員が待機

  盛岡市の県庁では県教委生涯学習課の職員らが25日夜から待機。錦泰司総括課長のもとに26日午前1時前、電話で正式に「登録」の連絡が入ると、喜びと安ど感が広がった。

  職員と一緒に連絡を待った菅野洋樹県教育長は「良かった。登録を目指すために(資産を絞り込むなど)苦しい選択もしなければならなかった。協力してくれた市町や地域の方々にお礼を申し上げたい。気仙の黄金が支えていたともいわれる平泉は、戦乱からの復興のまち。東北、岩手の大きな力になると思う」と語った。

  柳之御所遺跡の除外については「率直に残念だが、平泉の価値はいろいろあり、その一部分が今回は登録されたと前向きに受け止めたい」と述べ、推薦書の見直しで構成資産から外した4つの遺産とともに、追加登録を検討したいとの意向を示した。

  県民に向け、達増知事は「平泉の文化遺産が世界に認められたことは大きな喜び。世界遺産を将来にわたって守り伝えていくとともに、平泉が伝える『人と人、人と自然との共生』の理念を胸に、東日本大震災津波からの復興に向けて、県民の皆様と共に取り組んでいきたい」とのコメントを発表した。

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