盛岡タイムス Web News 2011年 8月 13日 (土)

       

■ 〈東日本大震災〉被災地の子に絵本を プロジェクト活動広がる、車は6台に

     
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 東日本大震災津波で被災した子どもたちに絵本を届ける「3・11絵本プロジェクトいわて」の活動が広がりを見せている。絵本を満載して被災地に向かう「絵本カー」が7日に追加納車され計6台となった。絵本カーは希望する被災地の自治体や読み聞かせ団体などに贈られる。各地域で息長く子どもたちの心に寄り添う活動へ引き継いでいく。
(馬場恵)

 プロジェクトは、児童図書編集者で元国際児童図書評議会(IBBY)国際理事の末盛千枝子さん(70)‖八幡平市在住、彫刻家・故舟越保武さんの長女‖の呼び掛けで3月末から始まった。

  盛岡市中央公民館が事務局となり、市婦人ボランティア野の花会や、NPO法人参画プランニング・いわて、同法人いわてアートサポートセンター、盛岡教育事務所が支援。多くの市民ボランティアも協力して活動を続けている。5月末に締め切るまで全国から約23万冊の絵本が寄せられ、8月11日までに沿岸被災地の保育所や幼稚園など77カ所に計4万8600冊を届けた。

  軽自動車型の「絵本カー」も5月下旬から導入。荷台の書棚には絵本がずらりと並び、子どもたちが好きな本を自由に選べる。軽自動車のため、維持費が安くすみ、素人でも運転しやすい。道が狭い被災地でも小回りがきく。

  1台目は全国から寄せられた寄付金で製作し、これまでに10カ所を訪問。広い被災地をカバーするためには台数を増やす必要がある、と日本郵便の年賀寄付金の助成制度も活用し、さらに5台を追加発注した。

  6台のうち1台は大槌町に寄贈。宮古市の読み聞かせグループにも贈呈が決まっている。現在は、盛岡からボランティアスタッフが被災地に出かけ、絵本の贈呈や読み聞かせを実施しているが、被災地が絵本カーを持てば、さらに、きめ細かく、地域のニーズにあった活動につなげることができる。

  プロジェクトに関わった市民ボランティアは8月に入り延べ2千人を超えた。4月からボランティアスタッフとして活動に携わる主婦池田和子さん(56)‖同市本町通1丁目‖は「被災地のために何かしたいと思っていても、何もできず、もどかしい思いもあった。でも、この活動ならお手伝いできる。逆に自分が癒やされている。子どもたちに絵本が行き渡り笑顔が戻ってくれればうれしい」。

  被災地での読み聞かせにも加わっている保育士の昆野良美さん(26)‖同市西下台町‖は「子どもたちが一緒に笑ってくれると本当にうれしい。絵本の仕分けをしているボランティアも、みんな明るい。その雰囲気をそのまま被災地に届けたい」と話す。

  末盛さんは、全国からたくさんの絵本が集まり、絵本カーの支援に発展したことについて「ただ、ただ感激し、驚いている」と感謝。「本を贈ったから、子どもに、こう感じてほしい、ああしてほしいというのはおこがましい。物事の受け止め方、感じ方は一人ひとり、みんな違う。本を選ぶ子どもと互いに目があってニコッとすることができれば、それだけでありがたい」と話す。立ち上げたプロジェクトが、子どもたちに寄り添う息の長い支援活動に落ち着くよう支援を続けるつもりだ。

  「自分の大切にしていた絵本、これまでは知らなかったけれど大事な1冊となる絵本に出合うチャンスになってくれればうれしい」。

  事務局は、絵本カーの維持費などを支援するため、引き続きプロジェクトへの寄付を呼び掛けている。寄付金受付口座は、みずほ銀行盛岡支店・普通口座1188014・口座名「3・11絵本プロジェクトいわて」。または、ゆうちょ銀行・口座記号02210|4|133692、加入者名「3・11絵本プロジェクトいわて」。問い合わせは同公民館(電話654|5366)へ。


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