盛岡タイムス Web News 2011年 9月 8日 (木)

       

■ 〈県議選盛岡選挙区終盤の情勢〉樋下、高橋氏抜け出す勢い

 県議選盛岡選挙区(定数10)は現職、元職、新人の合わせて16人による戦いが繰り広げられている。盛岡タイムス社は、有権者を対象にした電話調査の結果と取材で得た情報をもとに終盤の情勢を分析した。地盤が重なる自民現職の樋下正信氏(56)、民主現職の高橋但馬氏(36)が互いにけん制し合いながらも抜け出す勢い。民主現職の佐々木博氏(59)、共産現職の斉藤信氏(60)、公明現職の小野寺好氏(59)も安定した戦いを見せる。この上位グループを8人ほどが一団となって追っている模様だ。ただ、調査時には有権者の半数以上が態度を保留しており、終盤戦での巻き返しで情勢は大きく変わる余地が残されている。

  市議選との選挙時期の逆転、震災による選挙の延期など複雑な要素が絡み合う今回の選挙。現職にとっては昨年行われた補選の影響も少なからずあり、各陣営とも戦い方を模索しながら選挙戦を進めている。

  ■2氏が抜け出す勢い

  樋下氏は、父親の代からの強固な地盤を核に高齢者層を中心に党派を問わず地元票を固める。以前のように業界票は見込めないことや地盤の重なる民主・高橋氏の出馬に支持者が危機感を持つことで選挙戦の序盤から結束を強めてきた。陣営では上滑りに警戒し、地元で最後まで引き締めを図る。

  高橋氏は、民主支持層や無党派層を手堅くまとめる。父親の金兵衛氏から引き継ぐ繋地区の地盤、温泉の取引業者などに加え、2人の子どもの父親として同世代や女性の支持を取り込む。前回の県議選に民主公認で出馬した高橋貞勝氏が選車長を務めるなど、補選の得票の堅守を図る。

  ■3氏が安定した戦い

  佐々木氏は、民主支持層を手堅くまとめるほか、一部自民支持層にも食い込む。自身の後援会青年部長を務める候補が市議選でトップ当選した勢いをそのままに選挙戦に臨む。地盤の重なる酒井俊已氏の出馬などに警戒。JR労組や都南地区などでこれまでにない支持層の掘り起こしを図る。

  斉藤氏は、党支持層の厚い支持に支えられて安定した戦い。市議選で公認候補5人が当選したことも支持者の勢いにつながっている。県議4期の実績に加え、原発ゼロや復興などの政策で会社員、公務員などの支持を伸ばす。一方で、若者層の取り込みには苦慮している。

  小野寺氏は、固い支持基盤に支えられて公明支持層をほぼ固める。一方で、前回のように自民との選挙協力がないことや市議選の公認候補2人の得票でも当選ラインに届かないことなどに陣営は危機感を強める。4期の実績を訴え、終盤戦では無党派層などへの支持の拡大を図る。

  ■8氏が当落線上でしのぎ

  当落線上で混戦模様なのが民主、自民、社民、地域政党いわての8氏。生き残りへ激しい争いになっている。

  民主公認の現職の三浦陽子氏(60)は、激戦区での戦い。「近場の候補を意識しすぎると墓穴を掘る」(陣営関係者)と従来通りの選挙を徹底するが、支持者と危機感を共有することで結束は強まる。民主支持層を固めるほか、県議2期の知名度、歯科医師など幅広い人脈から無党派層の支持も取り込む。

  新人の軽石義則氏(51)は、補選を経たことで知名度は前回以上に浸透し、岩手友愛会など組織以外の票も見込む。玉山、城南に新たに支部を開設するなど、後援会組織を強化。個人演説会の全会場に同行するなど勇退する吉田洋治氏が、後継候補として全力で後押しする。

  自民公認は新人の村里洋子氏(55)が、中心部、親戚縁者の多い玉山区などで支持拡大を図る。各種団体の役職経験やスポーツ関係など幅広い人脈を生かし、50代以上の年代や男性の支持を伸ばす。一方、女性の取り込みにやや苦戦。前県議の高橋比奈子氏の票をどのくらい取り込めるかも鍵を握る。

  新人の福井誠司氏(52)は、河南地区での個人演説会の開催回数を増やすなど地元を重視した戦い。盛岡青年会議所の元理事長の人脈から、自営業者や会社員の支持を固めている。自民公認でポスター掲示など活動の幅が広がったほか、自身が後援会長を務めた前県議の高橋雪文氏の票も取り込む。

  社民公認は現職の小西和子氏(58)が、支持基盤の岩教組、高教組などの票を固める。教員OBらを中心に、50代以上の年代や女性からの支持が高い。補選の影響は最小限だが、非正規職員の増加などで組織の規模は減ってきている。脱原発などの政策を訴え、さらなる無党派層の取り込みを狙う。

  新人の刈屋秀俊氏(58)は、支持基盤の平和環境県センター、県職労など労組を中心とした組織票が頼り。一方で、初の県議選挑戦で知名度不足もあり、無党派層などへの浸透には苦戦。30年の議員経験で積み重ねた個人票に加え、組織の引き締めで終盤戦での巻き返しを図る。

  地域政党いわて公認の現職の及川敦氏(44)は、知事選候補や岩手選挙区の党公認候補の応援で前回よりも活動ができていないことは否めない。前回トップ当選ということで支持者に安堵感が出ることを警戒しつつ、終盤にかけて地元を中心に支持固めを図る。

  現職の吉田敬子氏(33)は、党が全面バックアップした補選から今回は後援会組織を中心とした選挙を強いられる。補選でもらった及川氏の票が減票になるほか、都南地区の他候補との戦いもし烈。同級生、ボランティア仲間など同世代への支持の広がりに期待する。

  ■当選圏入りへ3氏懸命

  当選圏入りに向けて懸命な戦いを展開しているのが無所属の3氏。

  元職のザ・グレート・サスケ氏(42)は、初当選時は推薦を受ける自由党スタッフが強力に後押ししたが、今回はプロダクション関係者らによる選挙。自転車での遊説、繁華街の街頭演説が、どこまで浮動票や若者の支持に結びつくかが鍵。

  新人の酒井氏(63)は、会社員や公務員の一部に支持はあるが、まとまった支持の拡大までにはつながっていない。終盤からは松園や緑が丘地区など北部で重点的に街頭演説を展開。県職員OBや中小企業、金融機関への支持の広がりに期待する。

  新人の中村力氏(49)は、比較的女性や無党派層の支持割合が高い。地盤とする中野、仙北、玉山地区を重点に遊説。終盤にかけては個人演説会を開催し、幅広い層への支持拡大を図る。

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