盛岡タイムス Web News 2011年 9月 10日 (土)

       

■ 復興を誰にゆだねる 知事・県議選あす投票

 東日本大震災で延期され、約5カ月遅れで始まった知事選、県議選(定数48)は11日の投票日を前に10日、各陣営は最後の舌戦を展開する。知事選には現職と新人の4人が立候補、県議選は無投票当選の2選挙区3人を除く14選挙区に立候補した69人がしのぎを削っている。11日は大震災からちょうど半年となり、復旧・復興のあり方が争点となった今選挙。岩手の再生に向けた大事な時期となる向こう4年間の県政の体制が固まる。沿岸被災地の現状、統一地方選とは違う時期の日程などから投票率の低下が懸念される中、各陣営は有権者の関心を高める活動に最後の力を注ぐ。

 知事選にはいずれも無所属の盛岡市の会社役員芦名鉄雄氏(66)、いわて労連議長鈴木露通氏(60)‖共産推薦、現職達増拓也氏(47)‖民主推薦、元県議高橋博之氏(37)が出馬。現職に新人3人が挑む構図だ。

  芦名氏は実質、1人の選挙戦。政党に頼らない独自の戦いを展開している。公約として赤字が増えた県財政から知事報酬をゼロにすることを宣言。県財政の黒字への転換、無駄な事業の廃止などを掲げる。震災復興面で岩手の地元企業を優先して経済発展に努め、雇用創出すると主張し、県庁の行政体質を変えると唱える。

  鈴木氏は現県政や県の震災復興計画を批判。擁立した明るい民主県政をつくる会を母体に共産の県議候補と連動した戦いも進める。「いのちとくらし、雇用を大切にする県政」への転換を訴える。くらしの再建を最優先とした復旧・復興、原発からの撤退発信と放射線の検査と安全対策の徹底、福祉の心を中心とした県政を主張する。

  達増氏は4年前と同様、民主党県連と一体的な運動を展開。党県議候補との連動も活発だ。1期目に策定したいわて県民計画、復興計画を事実上の公約として、県民一丸となった着実な推進による震災復興と希望郷いわての実現を唱える。復興計画で示す安全の確保など3つの原則を説き、放射線問題からの安心・安全なども訴える。

  高橋氏は非民主勢力を中心に結成したいわて復興県民の会が母体。参画する地域政党いわて、自民、社民両党の県議候補との連動と県議時代のスタイルを組み合わせた戦いを展開する。政策的な公約のほかリーダー像として発信力、リーダーシップ、県民目線が被災の非常時に必要とし、被災者の生活再建の加速化を訴える。

 県議選は無投票以外の14選挙区で激しい戦いを続けている。過半数が目標の民主は全16選挙区に推薦1人を含む32人を擁立。知事選と連動して25議席以上の確保にフル回転している。特に12人の新人の浮沈がかぎとなる。

  自民は推薦1人を含む15人を立て議席の上積みにより、民主の過半数阻止を図る構え。前回は3議席を確保したが任期途中の辞任で現職1人となった盛岡での議席回復、他選挙区での新人の議席獲得で勢力の拡大を狙う。

  初の全県選挙となる地域政党いわては推薦1人を含む7人の当選に懸命だ。出馬を予定していた花巻選挙区の高橋氏が直前、知事選へ転出し、知事選へ全面支援する中での戦い。既成政党に飽き足りない層への浸透にも努める。

  社民は公認4人。うち新人は1人で前回失った盛岡での1議席の奪還に向けて組織を挙げた戦いを続ける。共産は公認3人を擁立。盛岡での現有1議席を確実に確保し、他選挙区の新人とで宿願の複数議席獲得をうかがう。公明は盛岡の現職1人の当選に全力を挙げ、奥州と北上で他党の推薦候補を支援する。

  無所属のうち政党推薦を受けないのは10人。盛岡では元職と新人の3人が立候補している。

  県議選告示前日の1日現在の選挙人名簿登録者は109万6613人。11日の投票時間は午前7時から午後8時までが原則だが、今回は多くの市町村が投票時間終了を午後5時から午後7時に繰り上げている。

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