盛岡タイムス Web News 2011年 9月 11日 (日)

       

■ 〈詩人のポスト〉糠塚玲 時間と風と光と


    時間と風と光と

                      糖塚 玲
 
海はいつもの顔
魚たちも自由に泳いで
わかめも流れにゆれて
うにも、なまこも岩肌をゆっくり移動し
海の底は少し濁ってはいるけれど
波に話しかけても首を傾げて
何の記憶もないと言う
 
陸の上では漁師たちが
「さあ、漁にでかけよう」
と、話している
日に焼けて
笑顔で互いを確かめている
 
今は後ろを振り向かず
ほんの少しでも
時間をつかまえて
一歩前に踏み出し
風に吹かれる心地よさを
胸に受け
光っている地平線と
空の境目
そこに行ってみようと大声をあげる
 
離れた所にいる私は
大地震で災害のあったことを
片っぱしから明るい色で塗りつぶし
集まった人々の
強く深い思いなら
「どんな事だって出来るさ」
と、叫んでいる

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