盛岡タイムス Web News 2011年 9月 19日 (月)

       

■ 復興には8兆円が必要 県が試算、財源確保働きかけへ

 東日本大震災津波の本県における被災者支援、復旧・復興の事業費は、県復興基本計画(2011〜18年度)期間で8兆円との試算を県がまとめた。計画に位置づけた354事業で想定される事業費の試算。市町村の復興計画が策定されていないことなどから、復興費は変わる可能性がある。復興には国の全面的な支援や主体的な事業が不可欠。本格的な復旧・復興事業が盛り込まれる第3次補正予算や2012年度予算への反映や地方手当てを含む財源確保について国への働きかけを強める。

  県は復興計画策定において具体的な事業費の積算はほとんどの事業でしておらず、概算の総事業費もまとめてこなかった。しかし、復旧・復興への国の全面的、主体的な取り組みを求めていくうえで、要望事項だけでなく、概算額を示すことで国の財源確保を促す狙いがあるとみられる。試算結果は国にも伝えられた。

  8兆円を基本計画の3つの原則に分けると、「安全の確保」は3兆7千億円。津波防災施設の整備、復興道路と位置づける基幹道路の整備、まだ各市町村のまちづくり方針が決まっていないが、浸水区域の土地利用、高所移転などのハード事業が多く含まれる。がれき処理も入っている。

  「暮らしの再建」は2兆2千億円。発災直後からの避難所運営や仮設住宅の整備、被災者への生活再建支援金支給のほか、仮設診療所の整備、学校施設の復旧整備、今後見込まれる災害復興公営住宅整備なども含まれる。

  「なりわいの再生」は1兆4千億円。大きな被害の出た水産業の再建再生、二重債務解消支援策、中小企業や商店街の再建・再生支援などが盛り込まれている。

  さらに計画期間にとどまらない長期的な視点での取り組みとしての「三陸創造プロジェクト」に、期間中7千億円を見込んでいる。

  試算は本県の被害状況のほか、過去の大震災の復興事業費も参考にしながら算出した。国に先行した事業を盛り込んでいることや市町村の計画策定がこれからといった事情などから、変動可能性を前提とした現段階での数字となっている。

  復興費用の試算は宮城県が先に10年間で12兆8千億円と出している。国では10年間の復興費を国と地方を合わせて約23兆円と見込んでいる。半面、宮城と8年間の岩手の2県だけで約21兆円となることから、地元が望む復興には試算のうえでは国の見込みだと不足しかねない。事業推進には、国庫補助率の引き上げや地方の自由度が高い復興に当てる地方交付税の手当てなどを強く求めていく必要がある。

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