盛岡タイムス Web News 2011年 9月 21日 (水)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉290 八木淳一郎 秋の夜

     
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  星の明滅と虫の声、そして、そよっと吹く冷たい風がほどよくシンクロするのが、今の季節の特徴でしょうか。寂しげな秋の夜にふさわしい星の光は、1等星などの明るいものではなく、2等星、3等星などわずかに暗めのものでしょう。そうした暗い星で構成されているのが秋の星座たちです。

  やぎ座、みずがめ座、くじら、ペガスス、アンドロメダ、カシオペア、ケフェウス、ペルセウス座などなど。とは言いましても、まだ夜空の西側半分は華やかな夏の星座たちにいろどられています。

  しかしこれも、夜半を過ぎる頃、祭りの宴の後のように次第に明るい星々は西の山の端に消え、あたりは静まりかえっていきます。

  ややあって、今度は東の峰々の上に冬の星座が少しずつ顔を出してきます。ボーッとした光のかたまりに、あれ?何だろう、と思って目を凝らすと、おうし座のすばるの光のにじみであったりして、ああ、また寒い冬がやってくるんだ、という思いにかられるものです。冬の星座もまた、寒さを吹き飛ばすかのように、明るく、いろどりも豊かです。秋はそうした華やかさの谷間にあるようで、人の心と星空がこれほどに呼応するなど、自然の妙を思わずにはいられません。

  さて、時計の針が10時を回る頃、東の空、アンドロメダの南のおひつじ座の中にあって人目を引く星があります。惑星の王者木星(ジュピター)です。

  明るさはマイナス3等で1等星の実に40倍もの明るさです。先日の盛岡でのコンサートで歌われたあのジュピターの曲とともに心を癒やしてくれるように光っています。もう一つ、これもアンドロメダのさらに南側の低空にあるくじら座にあって、ほぼ木星の南側に位置するのですがミラという星があります。

  車の名前にもなっていますが、ミラという星は大昔から人々の注目を集める星でした。それは約11カ月の周期で明るさが2等星から10等星まで変化するからです。6等以下の暗さになれば肉眼で見ることはできません。そのミラが今、最も明るく輝いています。

(盛岡天文同好会会員)

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