盛岡タイムス Web News 2011年 9月 29日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉373 岩橋淳 じごくのラーメン屋

     
   
     
  ラーメン。拉麺と書けば中華料理っぽく見えますが、カタカナで「ラーメン」とくれば、「カレーライス」と並んで、立派な、ニッポンの国民食。これ、1億国民の疑うところない事実でありましてぇ……、などと力説するほどでもありませんが、種類も食べ方も多種多様、表紙のようにコスプレで演出する店まで現れて、いやいやいや。真っ赤に煮立ったラーメンを手に満面の笑顔(でもコワイ)をたたえるのは、正真正銘、閻魔大王その人であります。どうしてこういうコトになっているのか?

  地獄。世界中にさまざまなバリエーションがありますが、本作のごとく閻魔大王さまがおられる地獄には焦熱極寒賽の河原阿鼻叫喚などなど百数十の地獄があって、墜ちてきた人間たちは数々の責め苦を受けるのですが、あまりのツラサに「じごく だいきらい!」

  それはもっともな話、むしろそうでなくちゃ困るのですが、当今、閻魔大王といえどもユーザーの満足度は無視できないと見え、さらには「商売敵」であるところの天国に負けてなるものかと、鬼どもも集めて(だけど)一方的に決めたのが、名物ラーメンを作ろうというもの。辛すぎて誰も食べられないと判るや、今度は完食者への特典を持ち出して?

  なぜか関西弁でまくしたてる仏様たちまでが天国から参入して、文字通り上を下への珍騒動。さて商売(これでいいんかい!)の行く末は?

 【今週の絵本】『じごくのラーメンや』苅田澄子/作、西村繁男/絵、教育画劇/刊、1155円(2010年)



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