盛岡タイムス Web News 2013年  7月  12日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉158 草野悟 日本一早い来年のカレンダー

     
   
     

 手に持っていただいているのは、宮古市のほぼ壊滅した鍬ケ崎地区で仮設の商店を営んでいる川部淳一さんと奥さんです。

  で、何を持っているかというと、日本で一番早い来年のカレンダーです。毎年6月になると、私の大恩人、神戸の石原健一さんが100部送ってくれます。御年90歳になろうとしている石原先生が、「被災した方々に届けてください」と送ってくれます。もちろん100部ですから、皆さんに行き届くわけではありませんので、私の関係しているところを中心にお配りします。

  川部さんは、鍬ケ崎地区で米やお酒、日用品などを販売する「川部商店」の若旦那です。当然のごとく大震災でお店も家もなくしました。でもいち早く仮設の店舗を建て、住民の方のお役に立とうと頑張ってきました。鍬ケ崎地区は、車だと中心市街地から10分ほどで着きますが、免許のない方やご高齢の方にとっては日用品をわざわざ街まで買いに行くのはとても苦労です。何もなくなった地区にポツンと建っているお店こそ、前に向かって進む証しなのです。

  それで、この川部さんに鍬ケ崎地区の仮設住宅に住む方々に、お米をお届けするときにでも一緒に配ってください、とお願いした次第です。来年まであと半年もありますが、来年のカレンダーを飾っておけば楽しみも増えます。

  この川部さんに、今年、岩手県沿岸部が会場となる「全国生涯学習2013年大会」のプレフォーラムで、継続した応援を行う学生さんたちとの座談会の座長をお願いしました。どんな課題や問題があるのか、現地の状況と生の声を聞いて活動しようとする趣旨です。川部さんに快く引き受けてもらいました。「継続」こそ復興の大きなテーマです。応援する人もされる人も、実はWIN WINの関係にあります。一人の力には限界があります。理解者を少しずつでも増やし、じっくりと取り組んでいく「輪」が明日への活力につながります。きっとこれが一番早いカレンダーの意味なんですね。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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