盛岡タイムス Web News 2013年  7月  30日 (火)

       

■  〈詩人のポスト〉梅雨の晴れ間 かしわばらくみこ


 
 
園庭にあぶなげな陽が射し
なまぬるい風に波立つ水たまり
 
鉄棒をかこむ園児の帽子
と、先生のエプロンが
マリーゴールドの花時計に見えて
 
逆上がりができた子も
うまくいかなかった子も
拍手におくられ輪にもどる
そうして
じゅんぐりに呼ばれたあの子
の、なまえ
 
けれど
壊れた時計の針のように
なだめすかしても
まえに出たきり動かない
 
雨あがりがくれた
ひとつの試練
 
聴こえているかな
杉の木のてっぺん、カワラヒワの囀り
きりりぽろろ
きょうの日のなにが残るのかな
あの小さなからだに
 
おいで、と手まねきする子
うつむいてしまった子
記憶を辿るわたし
 
雲の切れ間にあおい空
フェンスの傍の沙羅の花


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