盛岡タイムス Web News 2013年  9月  13日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉167 草野悟 ようやくほっと三鉄運転士


     
   
     

 40aオーバーのマコガレイを手にしているのは、釣り歴2回目の三陸鉄道運転士、下本君です。彼は大震災の時に間一髪で破壊された島越駅を通過した運転士です。緊急停車した普代駅で乗客15人を安心させようと励まし続け、救助隊が来るまで5時間もの間、頑張りました。ほんのちょっと遅れたら震災の被害をもろに受けていたはずです。全員救助に涙を浮かべた下本運転士でした。

  置き去り車両は2013年4月、田野畑駅まで復旧し、無事久慈駅の車両基地に戻りました。落ち込んでいた2年間、なかなか海で遊ぶなんて考えられなかった下本君。

  その下本君が、望月社長の勧めもあって、海釣りを始めました。初挑戦は普代の海。5bもの高波の中「こんなに釣りって苦労するんだ」と船酔いで大変な洗礼を受けました。8月の末、2回目の挑戦です。何日も前から釣り具店に通い、自前の道具をそろえ、寝る前に仮想大釣りの訓練。そして夢の中では巨大魚と戦う夢を見ながら、ようやく当日を迎えました。

  普代の海とは全く異なる鏡のような吉浜の湾。天気も穏やかで年に数回あるかどうかの絶好のコンディション。しかし、海水温が高く多くは望めない状況を覚悟しての出船でした。吉浜元気組の船頭トモ君も「釣れますように」と神頼みです。ところが、師匠望月社長の真横で、釣るわ釣るわのラッキーボーイに変身です。身の厚い40aを超えるマコガレイを2匹もゲット。顔は終始笑ったままです。お隣の師匠、望月社長はすっかり「参りました」と白旗でしたが、そこは百選練磨のツワモノ。その後どんどん追い上げ、クーラーも満杯になるほど釣り上げました。

  参加者全員、大満足の釣りでした。仕事も遊びも全力、三鉄社員の素晴らしさに乾杯です。下本運転士「こんなに魚ってうまいんですね」と翌週の報告でした。三鉄釣りクラブ、次の日には厳しい仕事の顔に戻っていました。
(岩手県中核観光コーディネーター) 


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします