盛岡タイムス Web News 2013年  10月  9日 (水)

       

■  台風18号被害 松川の抜本改修を要望 盛岡市 11日まで玉山区5カ所で説明会 災害情報の伝達に不満も


     
   大台地区コミュニティーセンターで開かれた台風18号の説明会(7日夜)  
   大台地区コミュニティーセンターで開かれた台風18号の説明会(7日夜)
 

 盛岡市によると、9月の台風18号の被害を受けた市に対する激甚災害の指定(農業関係の復旧)が9日にも政令で交付される見通しとなった。玉山区では松川の氾濫に伴い、住宅や農地などで市内の被害の9割を占め、件数は既に1千件を超した。市は特に被害の大きかった5地区対象の住民説明会を7日夜から始めた。この中で仮復旧では住宅の再建や農地の復旧もままならないと、松川の抜本改修を求める住民の声が各地で出ている。

  7日は5会場の中で最も松川上流で左岸の玉山区好摩の大台地区で開かれた。地元住民約20人が参加。説明側は市、県盛岡広域振興局、JA、農業共済組合、岩手山麓土地改良区の25人が出席。被害状況や激甚指定に伴う農地・農業施設復旧の国庫補助や市単独補助などを説明した。

  岩崎要悦大台自治会長によると、同地区は八幡平市に接している。同市も大量の雨が降ったが、護岸改修で川幅が広い。これに対して玉山区は川幅が狭く蛇行している。このため現在も通行止めの石花橋(古川橋よりさらに上流)より上流部で氾濫し、住宅や農地に被害が出た。

  約70世帯のうち8世帯の住宅被害が大きく、半壊を含む床上・床下浸水が起きた。地元の消防団がいち早く住民25人に避難を促し、負傷者や孤立者は出なかったという。

  農地が水をかぶった住民からは「松川の改修にはどのくらい(期間が)かかるのか。このままでは来年の田んぼができない」「二度と起きない川幅の拡張をしないと、かさ上げだけではまた崩れる」と懸念する声が出た。

  振興局土木部は「松川は5カ所で決壊し、国へ災害復旧の申請をしている。うち下田のIGR線橋脚付近、古川橋、石花橋より上流部3カ所は早急に土のうを積み、早い時期に応急対応したい」と説明。抜本改修については「大量の水を流しきれずあふれた。被災箇所や状況はこれから調査し、どういう対応ができるか検討したい」と述べるにとどめた。

  石花橋の左岸下流に住宅がある男性は「すぐに復旧できないなら、このまま住み続けてもよいのか」と困惑。同部と被害場所に食い違いがあり「現地を見ていない」と不信感を抱く場面もあった。

  玉山総合事務所建設課によると、石花橋は上流側の高欄損傷などで危険な部分があり、通行できるか調査中。住民からは稲刈りや来春の田植えなど農作業に支障の出ないよう早期の再開を求める声が多かった。

  隣の八幡平市で防災行政無線で災害情報が頻繁に放送されていたのに、玉山区では詳細でなかった点に「機能が果たされず、見捨てられた思いがした」との指摘も。佐々木忠哉同事務所総務課長は「運用マニュアルなどがなく、玉山村時代から放送してこなかった。こちらの不手際もあり、今後の反省点としたい」と約束した。

  松川右岸の松内字在家に避難勧告が出たのに、市は対岸の大台への勧告が「間に合わなかった」と説明する場面もあった。

  岩崎会長は「生活再建支援策について市ホームページからダウンロードできるとか、災害情報をツイッターでお知らせしたというが、全員がネットに対応できてはいない。これでは不十分だ。もう少し工夫を」と求めた。

  佐々木課長は「パソコンが流されて情報を活用できないとの声もいただいている。配慮に欠けた」と述べ、各担当課への問い合わせを呼び掛けた。

  説明会は8日に松内で開かれたほか、9日に船田東、10日に下田川崎、11日に小袋で予定されている。市は農業者対象の説明会を、早ければ下旬にも開く予定。台風被害関係の補正予算は月末までに臨時市議会を招集し、成立させる考え。


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