盛岡タイムス Web News 2013年  10月  23日 (水)

       

■  交流の少なさ、再建へ不安も 盛岡市 内陸避難者アンケート結果


 盛岡市は東日本大震災津波の避難者を対象に現在の住まい・仕事の状況や今後の居住意向などについて調査したアンケート結果を公表した。現在、同市では約1500人の被災者が生活を送る。今回のアンケートは、市内のみなし仮設住宅に入居する442世帯に実施し、213世帯(48・2%)から回答があった。約9割が盛岡市に住みやすさを感じている一方で、約5割が近所との交流がないと回答するなど、震災から約2年半が経過した内陸避難者の状況が見えてくる。

  盛岡市の住みやすさについての質問は、「どちらかといえば住みやすい」が58・6%(前年度56・4%)と最も多く、「とても住みやすい」27・6%(同26・6%)、「どちらかといえば住みにくい」8・1%(同7・6%)、「わからない」4・3%(同7・6%)、「とても住みにくい」1・4%(同1・7%)と続く。

  住みやすい理由は、「買い物、病院、公共施設がそろっているので大変便利」「津波の心配がない」「近所の皆さんが、親切であたたかい人ばかり」「沿岸よりも仕事がある」など。住みにくい理由は、「車を持っていないため、行動に不便を感じる」「除雪をするのが大変」「物価や光熱費が高い」など。

  近所との交流は、「たまにある」41・5%(同37・3%)、「ほとんどない」30・7%(同32・9%)、「全くない」18・8%(同19・9%)、「よくある」9・0%(同9・9%)。年代別では20代〜50代の勤労世代で「全くない」「ほとんどない」が半数を超え、60代、70代では「よくある」「たまにある」が半数を超えた。

  近所との交流があると回答している人に盛岡市への「住みやすさ」を感じている人の割合が高い傾向もあった。住みにくさを感じる理由に「隣人・知人など友人と知り合うこともなく、孤独で毎日何をして過ごしたらいいか考えてしまう」と孤独感を挙げる人もおり、慣れない土地での交流が課題となっている現状がある。一方、周囲の干渉の少なさを住みやすさに挙げる人もいた。

  現在、同市ではもりおか復興支援センターによるお茶っこ飲み会や定期的な避難者の訪問を実施している。2013年度からは、SAVE IWATEに委託し、畑仕事を通じて外に出る機会が少ない中高年の男性が市民と交流できる被災者の健康と生きがいづくり事業などにも取り組む。

  市総務部危機管理課の藤澤厚志課長は「14年度からの取り組み方針を新しく策定しているが、内陸避難者の支援は大きな柱の一つ。交流につながる事業は継続していきたい」と話す。

  今後の住まいについては、「震災前に住んでいた市町村で住宅を再建したい」12・3%(同9・4%)、「震災前に住んでいた市町村で災害公営住宅・民間住宅に入居したい」12・7%(同8・3%)で25%が地元での再建を望む。「盛岡市内で住宅を再建したい」17・5%(同16・9%)、「盛岡市内で公営住宅・民間住宅等の賃貸住宅に入居したい」20・3%(同18・8%)と盛岡への定住を望む人は37・8%と増加。前年度よりは減少したものの「未定」も32・1%(同39・8%)いる。

  現在の心配や困り事でも、見なし仮設入居期間の延長や住宅再建を挙げる避難者の割合は多い。一方、震災から2年半が経過する中で復興段階も、生活再建に前向きな人、何らかの理由で前に進めないでいる人と二極化が進む現状もある。

  藤澤課長は「アンケート結果を踏まえてどういう部分の支援が必要か、生活再建に向かう中で支援の在り方を分析していきたい。住宅再建についても丁寧に地元の復興状況を伝え、その中で避難者が選択できるようにしていきたい」と話す。


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