盛岡タイムス Web News 2014年  4月   16日 (水)

       

■  〈花林舎流庭造り─よもやま話〉4 野田坂伸也 イングリッシュガーデンの特徴


     
  最近人気が高まっているサンシュユも早春の花木  
 
最近人気が高まっているサンシュユも早春の花木
 

 「自分で庭を造りたいのに造れない」状態が続いていたのはなぜでしょう。

  その理由の第1は「庭はプロの庭師でなければ造れない。素人にはとても無理」という技術の問題。また「庭造りには大金が必要」という日本庭園の呪縛でした。確かに庭というものが造られるようになってから、つい十数年前まで「庭」はそのようなものでした。

  しかし、戦後の経済状態が回復して植物熱が広まってきたころから、日本庭園ではない庭を造りたいと考えていた人は少しずつ増えていたと考えられます。それなのになぜ新しい庭が出現してこなかったかと言いますと、どんな庭を造ったらいいかイメージが浮かばなかったからだと私は推察しています。

  当時、洋風庭園として雑誌などに掲載された庭は、中央に芝生があって、その周りをチューリップや一年草の草花が取り囲んでいる、というようなデザインが多かったのです。明るくて、子どもには喜ばれそうですが、成熟した女性が自分の庭として造るには、あまりにも子どもだましの単純な風景で、すぐに飽きて嫌になってしまうでしょう。このような洋風庭園≠ェ広まらなかったのは当然だと思います。

  そのような状況の中に、「ビズ」という雑誌で紹介されたのが、いわゆるイングリッシュガーデン≠ナした。もっとも、イングリッシュガーデンなどというものはないのだ、という人もいてよく分からないのですが、日本におけるイングリッシュガーデンの特徴は宿根草主体の庭である、と言っていいのではないでしょうか。

  イギリスや日本の大部分のような温帯に育つ宿根草(多年草ということもあります)は花期が短い種類が多く、これは裏返せば季節感がある、ということです。つまり、春になれば地面を破って芽を出し、暖かくなるとともにどんどん伸びるものがあるかと思えば、すぐに花を咲かせて消えてしまうものもあり、秋遅くにやっと花を咲かせる種類もあります。こういうさまざまな植物をどのように組み合わせて庭の1年を構成していくか、というのは難しいけれどもまた実に楽しいことでもあります。大人の女性にとって取り組んでみるかいのある仕事です。

  私は初めてイングリッシュガーデンというものを見たとき感心したことの一つは、意外にもつつましい地味な花が結構多いなあ、ということでした。後で知ったことですが、男性は大きくて鮮やかな色の派手な花を好む人が多く、女性には小さくてかわいい花を好む人が多いようです。そのような花が多種類、上手に組み合わされた花園がイングリッシュガーデンである、という大まかな定義で、これからの話を進めていきます。


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