盛岡タイムス Web News 2015年  9月 2日 (水)

       

■  県議選盛岡区 立候補少数も大混戦 現職5人が当選圏入りか 最終盤まで流動の様相 当選ライン9000票台の読みも


 県議選盛岡選挙区(定数10)は現職9人、新人2人の計11人が立候補した。定数を1だけ上回る少数激戦。ほぼ横一線の戦いで、当落線上を4〜5人が浮き沈みする展開となっている。底固い支持のある共産現職の斉藤信氏(64)、公明現職の小野寺好氏(63)、自民現職の樋下正信氏(60)、前回9000票を上回り、減票要因が少ない民主現職の高橋但馬氏(40)と軽石義則氏(55)は、当選圏に一歩抜け出た模様だが、気の抜けない戦いが続く。

  各候補の戦いを政党順に見ると、自民現職の樋下氏は、太田、本宮地域の顔役や自民系代議士、市議らのネットワークで手堅く戦いを進める。父親の代から続く後援会組織が強み。ただ、支持者は年々、高齢化。後援会幹部が他界した地域では、その後の活動が停滞するなど懸念材料もある。

  自民現職の福井誠司氏(56)は2期目への挑戦。青年会議所OB、中小企業事業者らを中心に支持拡大を図る。混戦の渦中にあるが、前回出馬し、今回は立候補を見送った保守系2氏の地盤が福井氏の地盤と重なっており、増票の要素はある。政党色は抑え、地域の課題を担える即戦力としての実績を打ち出す。

  前回9979票で当選を果たした民主現職の高橋氏は、地元繋の観光関係者らの濃密なつながりがあり、盛南地区から市内全域への浸透を狙う。民主党代議士のほか、無投票で勝利した達増知事も応援マイクを握る。同世代の候補が3人に増え、若さに期待する不動票は減る可能性もある。

  軽石氏は出身の東北電力労組をはじめ、連合岩手や岩手友愛会など労組票をてこに支持を固める。ラグビーワールドカップなどスポーツによる青少年の健全育成や地域復興を主張。選対本部長を務める吉田洋治元県議らと地域票の積み上げにも余念がない。

  6期目の当選を目指す公明現職の小野寺氏は、県内唯一の議席を守る戦い。同党の山口那津男代表、井上義久幹事長が相次いで本県入りし支持者の結束を図った。盛岡市議選は同党として初の3議席を獲得。他陣営からの切り崩しや安保関連法案をめぐる逆風も警戒し、引き締めを図る。

  共産現職の斉藤氏は、安保関連法案の廃案を最大の争点に掲げ、党派を超えた支持を呼び掛ける。盛岡市議選では市議団5人がそろって当選。5人の獲得票数は目標の1万5千票に迫った。被災者の医療費・介護利用料免除の継続、中学卒業までの医療費無料化などを訴え、躍進を目指す。

  生活新人の阿部盛重氏(57)は達増知事の元秘書。生活は、民主党分裂の影響で県都の議席がなく、事情通の阿部氏に白羽の矢を立てた。達増知事の妻の陽子さんや後援会幹部と旧知の支持者をくまなく回る草の根戦を展開。2013年参院選代表比例で生活は市内で約1万8千票を獲得しており、票の掘り起こしに全力を挙げる。

  社民現職の小西和子氏(62)は、出身の岩教組など労組票をはじめ、元教員らのネットワークで票の積み上げに懸命。社民は前回、候補2人で臨んだが1人に絞り、必勝態勢を敷いた。盛岡市議選で同党が公認・推薦した現職新人3人の得票は約8300票。安保関連法案廃案の訴えにも力を入れ、追い上げを図る。

  佐々木博氏(63)は民主党から無所属に転じての戦い。支援していた平野達男参院議員が知事選出馬を突如断念したため、戦略の立て直しを迫られた。「顔が見える相手でなければ、投票してもらえない」と地元の緑が丘、黒石野をはじめ、旧知の経済関係者らへの行脚を強化。互いの手の内を知る達増支持派からの切り崩しにも遭っているが、県政のチェック機関として議会の役割を問う。

  都南地区では、無所属の女性候補2人がしのぎを削る。吉田敬子氏(37)は16人が立候補した前回、唯一1万票を突破しトップ当選した。今回は、同じ地域から新人の千葉絢子氏(37)が出馬し、楽な戦いではない。出馬を見送った及川敦県議は前回、同じ政党所属だった吉田氏を支援したが、今回は千葉氏を自身の後継に指名し全面支援している。

  吉田氏は津志田地域の関係者や自民系の地元市議らの応援を得て、同地区での浸透に全力。1日夜には地元で2度目となる決起集会を開き、地域とのつながりをアピールした。

  元民放アナウンサーの千葉氏は放送記者としての実績や子育て経験を踏まえた政策を打ち出す。いわて県民クラブに参加し達増県政に対しては批判的なスタンス。全市的に知名度があり「上位当選」との呼び声が高いが、新人だけに読めない要素もある。

  8月23日に行われた盛岡市長選、41人が出馬した盛岡市議選の投票率は共に51%台。同日選だった知事選がなくなった県議選は、さらに投票率が低くなるとの見方が大勢だ。投票率を50%だと想定すると総得票数は約11万9千票。多くの陣営が当選ラインを9000票台から1万票の間に見極める。上位当選者の得票によってもラインは変わるため、勝敗は最終盤までもつれそうだ。

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  8月28日に告示された県議選は1日で選挙戦を折り返した。無投票当選で決まった以外の10選挙区で、知事選が無投票の中、激しい戦いを繰り広げている。盛岡、滝沢、紫波の3選挙区の情勢を2日と3日に伝える。

 


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