盛岡タイムス Web News 2015年  10月 5日 (月)

       

■  〈幸遊記〉247 照井顕 池谷薫の映画「ルンダ」の願い

 
 9月19日から盛岡で上映中のドキュメンタリー映画「ルンタ」の池谷薫(いけやかおる)監督から「“先祖になる”でお世話になった池谷です。あす夜7時から盛岡中劇で新作“ルンタ”の試写会を行います。非暴力に込められたチベット人の心を描いた映画です。お忙しいところ恐縮ですが、ぜひスクリーンでご高覧ください。本当に見てほしい映画なので何卒よろしくお願いします」のメールが届いた。

  その非暴力とは、2009年以降、中国のチベット族居住地域での僧侶や住民による焼身自殺抗議のこと。中国の圧政に抵抗を示すこの焼身自殺者は2015年3月3日で141人。彼からメールが届いた日の1週間前、8月31日北京共同通信は27日チベット族の50代女性の焼身自殺を配信。女性が住む村で警察や地元役人ら150人が違法建築だとして多くの村民の住宅を強引に取り壊したと伝えられたばかりだった。そのまた一週間後、中国政府は「チベットの各民族を指導し貧しくて遅れた古いチベットを活力あふれた社会主義の新しいチベットに発展させた」と強調する最高指導部の祝賀大会演説を発表。チベットの独立や高度な自治を求める動きに引き締めを強化した形だ。

  「蟻の兵隊」(日本兵2600人山西省残留の真相)。「人間を撮る」(魂を、命を、欲望を、尊厳を)の2冊の本、そしてNHKアーカイブからの穐吉敏子DVDを持参し、2010年5月20日、僕の前に現れた(有)蓮(REN)ユニバースの池谷薫さんは、1958年東京生まれ、同志社大学文学部卒。12本のNHKスペシャルを含むTVドキュメンタリーを数多く手掛け、初監督した映画「延安の娘」2002年はカルロヴィ・ヴァリ国際映画祭最優秀ドキュメンタリー映画賞に輝いたほか数々の賞を受賞。2作目の「蟻の兵隊」(2005)は記録的なヒット作。「先祖になる」(2012)は陸前高田で撮影され、ベルリン国際映画祭特別賞、香港国際映画祭グランプリ。文化庁映画大賞を受賞した。

  2015年99月16日中劇の幾田和美社長と一緒にジョニーに立ち寄ってくれた池谷さんは、改めてルンタを見ながら、人を喜ばせる利他心、おおらかで明るく、いつもうたっている人々の姿から、宮澤賢治の言葉が思い浮かんだという。そういえば昔、岩手は日本のチベットといわれていたことを僕も思い出しました。
(カフェジャズ開運橋のジョニー店主)


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