盛岡タイムス Web News 2015年  10月 17日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 佐々木貴大 ブルズの2部スタート

 

 
 日本のバスケットボール界は、日本バスケ協会の統治能力欠如、男子トップリーグに二つのリーグが並立している状況、代表チームの低迷という問題を抱えながら解決できなかった。国際バスケットボール連盟はこの状況を受け、2014年11月、日本に「資格停止処分」を課した。

  その後、制裁解除へ向けた作業部会が発足。責任者にサッカーJリーグの生みの親、川淵三郎氏が就任した。以来、川淵氏の手腕により、過去20年近く解決できなかった男子プロリーグは統一し、1617シーズンからBリーグに生まれ変わる。

  TKbjリーグの岩手ビッグブルズは、Bリーグ初年度は2部に振り分けられた。1部入りの最終候補に残りながら、財務問題の解決策が他チームとの比較で劣ると判断された。ブースタークラブ1万人プロジェクトなどさまざまな取り組みを進めてきたが、願いが届かなかった形だ。

  2部スタートについて、ブースターから「残念」「あのチームが1部で岩手が2部なんて」など、多様な声が聞かれた。中には「財務が問題だと分かっていたのに、そこに目を向けずブースターを1万人集めれば1部に入れると思わせた球団を糾弾(きゅうだん)したい」と過激な発言もあった。

  球団の取り組みが最適であったかはさておき、今回の2部スタートについて考える。そもそも、最終候補に残りながら相対比較で選ばれなかったことから、岩手の努力よりも他球団の取り組みが上回ったと判断されたのだろう。さらに、下部リーグからのスタートはそれほど悪いことではないのではないかと思う。

  トップリーグに参入できなかったことは、収入減などデメリットもあるかもしれない。しかしそれ以上に、2部で戦う期間は、長く1部で戦い続けるための「準備期間」として位置付けられないか。

  川淵氏の手腕をたたえた上でJリーグの例を出すのは申し訳ない気もするが、初年度にJリーグ入りを逃しながらも一時代を築いたチームや、初年度に参入し黄金期を作りながら大口スポンサーの撤退によりJ1から降格しJ2でも低迷を続けるチームも実在する。

  川渕氏の言葉を借りれば「5千人のアリーナを造ったからいいという訳ではなくて、そこをいかに満杯にするのか」。今回の振り分けはスタートであり、ゴールではない。

  TKbjリーグ1516シーズンはすでに開幕しており、岩手も10、11日のホーム開幕戦で今季初白星を挙げた。選手のみならず、球団のフロントスタッフも全力を尽くしている。新たに始まる岩手ビッグブルズの挑戦を見逃さず、今季も伝えていきたい。
 


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