盛岡タイムス Web News 2015年  11月 12日 (木)

       

■  盛岡市上の橋 擬宝珠(国重要美術品)も平成の改修 慶長以来 400年のすす払い もりおか歴文館で展示へ


     
  取り外された上流側高欄の擬宝珠  
 
取り外された上流側高欄の擬宝珠
 

 盛岡市は11日午前、中津川に架かる上の橋補修工事に伴い、高欄にある擬宝珠(ぎぼし)の取り外し作業をした。上の橋の擬宝珠は全18基あり、青銅製鋳物で国の認定重要美術品。一部は400年以上前から現役で活躍している。同日は工事中の上流側にある9基が取り外され、同市内丸のもりおか歴史文化館へ搬入された。必要な補修後、一部は21日から同館で始まる企画展で2016年1月末まで展示される。高欄への再設置は2月中と見込まれる。

  擬宝珠は直径27a、高さ約60a、重さ22〜29`。歩道に沿った部分の高欄に約9b間隔で設置されている。4方向に計8本のねじで固定されている。ねじ部分には座金(ざがね)と呼ばれる、固定部分に直径約4aの菊花に似た金具が取り付けられている。

  同日は市から補修工事を受注した業者関係の作業員5人が作業に当たった。文化財の擬宝珠を所管する市教委歴史文化課職員が取り外し方法の指示や記録、搬出作業を担当。工事を所管する建設部道路管理課職員も立ち合った。

  取り外しは約20年前に一部で亀裂の入った擬宝珠を補修するために取り外されて以来。現在の上の橋は延長54bあり、1935(昭和10)年竣工(しゅんこう)以来初の大規模な補修工事が10月から来年3月まで上流側で行われている。擬宝珠全ての取り外しも竣工以来で、来年度は下流側9基でも行われる。

     
  上の橋の擬宝珠の取り外し作業(中津川左岸側)  
  上の橋の擬宝珠の取り外し作業(中津川左岸側)
 


  20年前の補修に携わった美術鋳造が専門の岩手大教育学部の阿部裕之教授も11日に立ち合った。阿部教授によると、溶接だと鋳物の変色や不純物で補修が難しくなることから、強化プラスチック入り接着剤が使われた。
取り外しは作業員がねじと座金を1本ずつ丁寧に外した。市教委職員がそれぞれの場所を確認して保管。擬宝珠本体が傷つかないよう根元から一気に引き上げられた。中から上質のヒノキ材が露出した。1基ずつ梱包され、歴史文化館に向けて車両で搬出された。

  市教委のホームページによると、上の橋の擬宝珠は16世紀に京都・加茂(鴨)川の擬宝珠をかたどって南部家が領国三戸城の橋に取り付けた。盛岡城下整備に伴い、中津川に1609(慶長14)年に上の橋、11(同16)年に中の橋が架けられ、擬宝珠が移設された。

  当時から現存するものがある一方、洪水で落橋、流失を繰り返し、失われたものも多く、その都度復元されてきた。1945(昭和20)年8月3日に国の重要美術品認定を受けた。


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