盛岡タイムス Web News 2015年  12月 20日 (日)

       

■ 公契約で来春本格施行へ 賃金や社保の要件化検討 県が事業者向け条例説明会

     
   
 
公契約条例に関する説明会(15日、盛岡市内で)
 


  県の「県が締結する契約に関する条例」(公契約条例)は2016年4月から本格施行される。県は県の責務と条例に掲げる基本理念実現を図る取り組みを取りまとめ、県契約の締結や履行に反映させる。受注者、下請けについても、いわゆる「一人親方」に至るまで、それぞれの責務と各種関係法令の順守が求められる。17年度からは今後規則に定める「特定受注者」に知事が報告を求めたり、調査したりする制度も導入される。

  県商工労働観光部雇用対策・労働室によると、県内では契約競争の激化などで事業所の弱体化や労働環境の著しい低下を招き、産業界から懸念の声が出されてきた。公契約条例の早期制定を求める請願が県議会で採択され、15年3月に条例が制定された。

  条例の対象になる契約は▽工事請負▽業務委託▽役務提供▽物品購入▽県施設の指定管理協定−と幅広い。

  県契約における基本理念としては、契約の透明性・競争の公平性、経済性への配慮・ダンピング防止・価格以外の多様な要素の考慮などにより総合的に優れた契約内容であること、業務に従事する者の適正な労働条件それぞれの確保が掲げられている。

  事業者には「持続可能で活力ある地域経済の振興に資する取り組み」(雇用確保、中小企業の受注機会確保、県産品利用促進、事業者の専門的技術・伝統的技能継承など)、「社会的な価値向上に資する取り組み」(障害者らの雇用促進、環境に配慮した事業活動、男女共同参画推進)への配慮をうたう。

  県はこれを踏まえ、本格施行前に基本理念の実現を図るための取り組みを取りまとめる。公表中の素案では既に実施済み、今後実施を検討する取り組みが列記されている。

  新たに検討するものとしては▽庁舎など管理業務や印刷などで一般入札に関する最低制限価格制度の導入▽庁舎管理業務で適正な賃金水準確保へ実態調査実施▽指定管理者候補の選定審査で最低賃金を下回らない管理計画を公募要件とする▽指定管理協定期間が3年の場合、雇用安定化へ期間拡大▽社会保険の加入の資格要件化│などが挙げられる。

  16年度までに導入される特定受注者は、県と特定県契約を契約した者。今後定められる種類や金額の要件に該当する契約が対象。

  この中で知事は法令順守の状況について報告を求めることができる。同受注者が正当な理由なく報告の求めに応じなかったり、条例施行で特に必要と認める場合には調査ができると明記された。

  県は本格施行を前に11、12月に県内5会場で説明会を開いている。11月は奥州市で3回、大船渡市で2回開かれ、約400人が参加。今月15日の盛岡市会場では計3回開かれ、合わせて約600人が参加した。

  工藤直樹雇用対策・労働室労働課長はあいさつで「適正な労働条件などの確保と向上、地域経済の振興、その好循環に向けて一緒に取り組んでもらいたい」と呼び掛けた。


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