盛岡タイムス Web News 2015年  12月 27日 (日)

       

■ 歴史性語る石積み護岸 北上川 明治橋下流で景観に配慮 かわまちづくり事業 岩手河川国道事務所

     
  歴史的景観に配慮し整備中の石積み護岸、左奥は御蔵  
 
歴史的景観に配慮し整備中の石積み護岸、左奥は御蔵
 


  市民の意見を取り入れながら良好な水辺空間を整備する盛岡地区かわまちづくりとして、国土交通省岩手河川国道事務所は北上川に架かる明治橋下流に石積み護岸を整備している。歴史的景観の残る地域に配慮し、従来のコンクリート護岸を補修・修景整備するもので、2015年度は盛岡市南大通3丁目地内の約200bを整備中。全国的には城下町だった場所などで石積みや石積み風の護岸整備が行われているが、県内では中津川、北上川が初めての試み。

  同市、同事務所による盛岡地区かわまちづくり(2009年度〜17年度)は、盛岡中心部を流れる北上川、中津川を観光資源として活用し、川沿いのまちづくりと連携して市民が親しみやすい水辺空間を形成することでにぎわいの創出や観光の推進、地域活性化を図る事業。これまでに地元でのワークショップなどを通じて、さまざまな意見が出されており、石積み護岸もこの一つ。

  石積み護岸は、中津川の中の橋から下流に施されており、盛岡地区かわまちづくりでは統一感を持たせた修景とするよう、北上川との合流点から明治橋下流までの区間が実施されている。特にも南大通3丁目や鉈屋町付近は、川沿いに市指定有形文化財の御蔵(おくら)があるほか、かつては北上川の舟運の港として船宿や蔵、御番所などが立ち並び新山河岸と呼ばれたことなど、川との縁も深い地域。石積み護岸が完成すれば、明治橋などから御蔵と一体となった景色が楽しめる。

  工事は、従来のコンクリート護岸の上に、一辺が30〜40a、奥行き35aの花こう岩を積み重ねていく。石の運搬は重機が担うが、石積みそのものは石工による手作業で一つ一つ行われる。13、14年度は入札不調などで工事ができず、この間、石工の確保が難しいことなどから石積み風の護岸整備も検討されたが、地域の石積みにこだわりたいとの意見もあり、同事務所では17年度までに明治橋から見える範囲は石積み護岸にしたい考え。

  明治橋付近の護岸は、従来は河川敷へのアクセスにコンクリートの壁を立てた勾配が急な管理用階段しかなかった。今回の石積み護岸の整備に合わせて、河川を利用する人が安全で楽に昇降ができるよう、勾配を緩やかに手すりを設けた新たな階段も設置する。中津川から続く遊歩道などを散策し、新山河岸の跡から階段を上がり、資料館や背後にある歴史的建造物にアクセスしてもらうなどの活用を見込む。

  同事務所工務第一課の樋川満課長は「中津川を含め、地元の方々が非常に川に関心がある地域で、歴史的な構造物なども多いまちなので、地域の方々の意見を聞きながらいい川をつくっていきたい。水辺の空間づくりを通じて、歩いて楽しめる盛岡、北上川にしていきたい」と話した。


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