盛岡タイムス Web News 2016年  3月 8日 (火)

       

■  東日本大震災5年目の検証(中) 日常に築く安全のとりで 内陸防災は今 各校が地域に掲示場 青山地区まちづくり協議会


     
  盛岡ふれあい覆馬場プラザで開かれた子ども向けの防災啓発事業(2015年11月、協議会提供)  
  盛岡ふれあい覆馬場プラザで開かれた子ども向けの防災啓発事業(2015年11月、協議会提供)
 

 盛岡一安心して生活できるまち青山に─盛岡市北西部に位置する青山地区。同地区まちづくり協議会(遠藤政幸会長、構成12町内会)は東日本大震災津波から約8カ月後の2011年11月末に設立された。もともと震災前からある自主防災隊・会で自主防災訓練、地域活性化の取り組みを展開してきた基盤のある同地区。防災に限らず地域協働の幅広い活動を通じて、子どもや高齢者の安全安心を推進している。(大崎真士)

  ■地区は「副都心」

「協議会がさまざまなことを取り持ち、地区内のコミュニケーションを図り、万が一の時のお世話になることにつながる」。遠藤会長(54)は協議会設置の効果を説明する。

  青山地区は公共、福祉、商業など各施設が集積する。長年暮らす住民は「盛岡の副都心」と胸を張る。

  遠藤会長は協議会設置により、関係の薄かった病院など地区内の施設にも実施事業へ声を掛け、新たな連携に結びついたという。防災の目的だけで連携を図るのではなく、日ごろからの結びつきの重要性を強調する。

  2月6日に青山地区活動センターで開いた認知症講座。青山和敬荘地域包括支援センターなどと共催し、参加は定員を上回る関心の高さだった。背景に地区内の高齢化がある。警察や消防が認知症によるはいかいを警戒して夜に巡回している。

     
   青山地区あんしんマップを手にする遠藤会長(右)と活動をPRする秋篠事務局長  
   青山地区あんしんマップを手にする遠藤会長(右)と活動をPRする秋篠事務局長  


  ■地域掲示場を設定

  住民の参加率が高い一方、都市型の課題もある。地区内には震災で大きな被害の出た厨川中はじめ小学校4校の学区があるが、緊急時用の連絡網作りが難しくなっている。

  現在、災害や犯罪に関する情報や運動会の雨天中止などの緊急連絡に子ども会の連絡網が活用されている。

  ところが、協議会事務局長で理容店を営む秋篠京子さんは「引っ越してきたり小学校入学の際、子ども会入会が選択できれば入らない世帯が出てきた」と驚く。会費納入の経済的事情や仕事のため子どもだけ参加させるのに抵抗があり、役員の依頼を敬遠するなど理由はさまざまだ。

  一方、学校では各町内会に1カ所掲示板代わりの場所を設け、学校が大事な情報を貼り出すルールができた。西青山2丁目は秋篠さんの店舗前が選ばれた。「一大事が起きていないので活用例はまだないが、アナログに立ち返った部分」と秋篠さんは期待する。

  ■顔の見える関係に

  協議会では15年3月に「青山地区あんしんマップ」(A3判)を作成し、配付した。4小学区を表示し、それぞれ公衆電話設置箇所、防犯連絡所や協力する個人宅・店舗が一覧で掲載された。地区内を顔の見える関係にするのが狙いだ。

  遠藤会長は「昔に帰って万が一の時に支え合おうと確認だけでもできればいい」と協議会の担う役割を説く。

  同時に地区はじめ町内会と学区、警察消防の境界が異なり、一体的な活動がしづらいと問題視する。

  防災については消防団の立場から「自主防災組織の維持発展へ毎年必ず自主防災訓練をしている。子どもから意識を持たせるため子ども対象の訓練・啓発もしている。協議会ができ、赤れんが(盛岡ふれあい覆馬場プラザ)を活動拠点にさまざま事業展開できるようになった」と話す。

   ◇    ◇

  協議会は市地域協働推進計画に基づく地域協働実施地区。市は市内30地区あるコミュニティー推進地区などを受け皿に拡大を図る。当初17年度までに全域に拡大する予定だった。現在青山を含め12地区にとどまる。


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