盛岡タイムス Web News 2016年  4月 2日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 泉山圭 盛岡の宝「岩手山の眺望」


 首都圏で過ごした大学時代、帰省の東北新幹線の車窓に岩手山をはじめ周囲の山々が美しい姿を見せ始めるとようやく帰ってきたと感じた。ビルに遮られ、山が見えない都会の暮らしはどこか息苦しく、自分には向かないとも思ったものだ。特にも残雪を抱いた雄大な岩手山の姿は、盛岡市民にとっていつもそばで見守られているような安心感を覚える存在だ。

  盛岡も高層の建物が増えてきたものの、北上川に架かる橋、中央公園、岩山展望台と岩手山の眺めが素晴らしい場所はまだまだ多い。岩手教育会館の建て替えに伴い、盛岡城跡公園からは再び岩手山が見られるようになった。新教育会館も高さを抑え、岩手山の眺望に配慮した造りが予定されているという。

  盛岡市は2018年に良好な景観形成を図るための市景観計画を改訂し、景観形成重点地域の眺望景観保全地域に、新たに明治橋からの岩手山眺望、天満宮からの岩手山眺望、玉山区重要眺望視点場からの岩手山・姫神山の眺望を加えることを検討している。眺望を保全するため建物などの高さを制限するためだ。

  昨年末、玉山区の合併10周年の取材で、福田稔玉山区長(3月31日で退任)に話を聞く機会があった。インタビューの最後に、玉山の風景で一番好きな場所を尋ねた。「育ったということもあり、私の集落(門寺寺柏木平)から見る岩手山、姫神山は素晴らしい。朝、出勤者も岩手山が見えていれば車を止めて見ていく。玉山はどこから見ても岩手山が見えるという素晴らしい自然環境があるのが魅力」と地元から見る岩手山の風景を挙げた。

  門前寺からの岩手山は、眺望景観保全地域に追加が検討されている視点場の一つでもある。田んぼに積まれた稲わらの向こうに広がる岩手山は、確かにきれいだった。眺望への思いは人それぞれだと思うが、やっぱり市街地からも岩手山が見える街並みは盛岡の宝だと思う。
 


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