盛岡タイムス Web News 2016年  4月 22日 (金)

       

■  南部領の大間 王室が讃えた国柄 岩手日英協会の長野隆行さん タイムズ紙の記事で確認 アシュモール号難破(1864年)救助


     
   英国船アシュモール号難破について調査し、英紙「The Times」(1865年3月30日版)に記事を確認した岩手日英協会副会長の長野骰sさん  
   英国船アシュモール号難破について調査し、英紙「The Times」(1865年3月30日版)に記事を確認した岩手日英協会副会長の長野骰sさん
 

 岩手日英協会(南部利文会長)副会長の長野骰sさん(69)=盛岡市=は、元治元年(1864)に津軽海峡・大間沖で英国船アシュモール号が難破し、当時南部氏の領域だった青森の大間(現下北郡大間町)の人たちが救助にあたった出来事について、151年前の英紙「The Times」(1785年創刊)の記事で確認した。渡英して調査した長野さんは「イギリスと日本・南部の人たちの縁の深さを改めて感じた。目の前の人たちを助けようと行動した、先人たちの純粋な思いを感じる」と話す。5月13日午後6時半から盛岡市のホテルメトロポリタンニューウィングで開く岩手日英協会講演会「南部藩と英国」で報告する。(藤澤則子)

  長野さんがタイムズ紙で確認したのは、1865年3月30日版の記事。イギリス政府の公式な官報「ロンドン・ガゼット」からの引用として、横浜(神奈川)領事代理・マーカス・フラワーズのイギリス政府への報告を掲載している。

  横浜から函館に向かっていたアシュモール号が津軽海峡の弁天島(記事では弁天様)で難破したときの状況を船長の記録とともに報告。日本人の具体的な援助についての記載は少ないが、事故の知らせを聞いた「Prince of Nambu」(南部の藩主)が船会社(船)に対し、必要なあらゆる援助を行うよう命じたと報告している。時期を同じく別の船も難破しており、これら2件に対する日本側の対応を「一様に純粋なおもてなしと親切心により特徴づけられている」と記している。

     
   藩主南部利剛に贈られたビクトリア女王の金時計(もりおか歴史文化館所蔵)  
   藩主南部利剛に贈られたビクトリア女王の金時計(もりおか歴史文化館所蔵)
 

  この出来事について、日本側では地元民の救助の様子が伝えられ、難破事故の翌年には当時のビクトリア女王から救助のお礼として、藩主南部利剛に金製の懐中時計と西洋式猟銃(もりおか歴史文化館所蔵)も贈呈されているが、英国側の記録は同協会でも確認できていなかった。

  長野さんは2015年4月に渡英。大英博物館や海上保険に強いとされるロイズ保険などで資料を調べたが見当たらず、最終的にギルドホール・ライブラリー(ロンドン)でタイムズ紙を検索、151年前の掲載紙を確認した。

  岩手日英協会は今年創立35周年。会長は代々、南部家当主が務めている。長野さんは「縁を大切にするとともに、この史実を多くの方に知ってもらいたい」と話している。

  講演会は一般の参加も可。問い合わせは同協会事務局、坂本さん(iwate.jbs.jimukyoku@gmail.com)、盛岡ながの脳神経クリニック、長野さん(639―0123)。


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