盛岡タイムス Web News 2016年  10月  28日 (金)

       

■  いじめ認知が倍増 県教委の問題行動調査 防止法の重大事態17件も


 県教委は27日、文科省の2015年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査結果のうち、本県の公立小中学校、高校、特別支援学校の結果を公表した。いじめを積極的に把握し、組織的に対応することを奨励した結果、いじめを認知した学校は全体の約7割に当たる416校に上り、認知件数は前年度を1500件上回る3274件に達した。暴力行為も、いじめの認知が増えた影響などで、小中学校で目立って増え、前年度より134件多い238件となった。

  調査は文科省が全国の都道府県教委などを通じて毎年、実施。いじめに関しては、捉え方に、ばらつきがあるとして2014年度調査をやり直した経緯がある。2015年度調査では生命、身体、精神、金品への侵害、いじめによる長期欠席といった、いじめ防止対策推進法に示されている「重大事態」の内容を詳細に明記するよう求めたほか、不登校に関しても、その要因が分類できるよう調査内容を変更した。

  県教委によると、いじめを認知した学校数と認知件数は、小学校が237校(前年度197校)・2302件(同1031件)、中学校が115校(同110校)・765件(同492件)、高校が55校(同54校)・157件(同162件)、特別支援学校が9校(同8校)・50件(同89件)。1校当たりの認知件数は5・47件(国公私立を含めた全国の1校当たりの認知件数は5・9件)で、過去5年間では最高だった。

  いじめ防止対策推進法に規定される「重大事態」の発生件数は17件で、前年度の2件から大幅に増加。いじめを原因とした不登校に該当すると判断されたケースが増えたためと分析している。いじめの現在の状況は「解消しているもの」と「一定の解消が図られたが、継続支援中」を合わせた割合(解消率)が98・6%で、前年度(96・7%)より上昇した。

  いじめの態様は「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が2106件と全体の48%を占め、最も多い。「パソコンや携帯電話等で、誹謗(ひぼう)中傷やいやなことをされる」は108件(前年度90件)と、全体の2・5%にとどまるが、ネット上のいじめは認知が難しく、統計に現れないケースも潜在しているとみている。

  情報モラル教育を強化するため、県教委は今年度から3年計画で、全校から担当教諭を研修に参加させ、指導技術の向上を図る取り組みに着手。「ネットトラブルの加害者にも被害者にもならないよう継続して各校で取り組んでもらう必要がある」と説明した。

  暴力行為の発生学校数と発生件数は、小学校が37校(前年度9校)・100件(同10件)、中学校が35校(同35校)・102件(同62件)、高校が22校(同21校)・36件(同32件)。

  これまで、けがなど重篤な状態に至らない事例は、暴力行為と認識されにくかったが、いじめの内容を詳細に分析する中で、体を突き飛ばす、清掃道具でたたくといった事例も暴力行為に数えられるようになった。発達障害の傾向のある子どもが感情を抑制できずに、周囲とトラブルを重ねた例もあった。

  県教委学校教育室の菊池広親首席指導主事兼生徒指導課長は「ケースが非常に多岐にわたり、学校だけで解決できるものは少なくなっている。関係機関との連携を進め、その子のために資する取り組みを実施する必要がある。状況を見立てるスクールカウンセラーやソーシャルワーカーの配置、登用の充実も進めたい」と話した。


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