盛岡タイムス Web News 2016年  11月  5日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 山下浩平 国体の遺産伝えよう


 
 あの熱戦が幕を閉じてから、間もなく1カ月が過ぎようとしている。一時は開催が危ぶまれ、ほとんどの準備がこれまでの先催地と比べ大幅に遅れた。その逆境を覆し、各会場での大きなトラブルもなく、選手成績も含め成功を収めた。その熱気を引き継ぎ行われた障害者スポーツの祭典でも県勢の快進撃は続いた。希望郷いわて国体・大会を通じ、岩手の底力が示された。

  当初の目標は入賞ラインの8位以内。東日本大震災により、強化事業が凍結となった時期もあり、昨年の和歌山国体での男女総合成績も16位。「選手がけがをする直前まで追い込んだ」と話す競技役員もいたが、ここまで成績を伸ばすため、選手や競技関係者が積んできた努力が生半可でないことは、容易に想像できる。

  連日、入賞ラッシュやメダル獲得に沸いた両大会。地元選手の活躍する姿は感動を広げ、感謝を伝えるものとなった。また、各競技会場で受け付けや誘導などに携わった一般ボランティアも、選手の活躍を見て大きなやりがいを感じたのではないだろうか。

  以前、地域活動が活発な地域の公民館関係者と話したとき「国体の盛り上がりをこれからの地域の活性化につなげることが大切ですよね」と記者が問うと、「大切というより、地域にとってはそれしかない」と答えが返ってきた。

  選手たちの活躍は感動を生み、県全体としてみれば経済効果も大きい。ただ、一地域にとってみれば実益はさほどないように思える。ただ、地元で行われる半世紀に一度の大イベントに参加し、運営の一端を担った町民や学生など、ボランティアの方々の達成感は計り知れないものがあるように感じる。

  21年ぶりの完全国体、東日本大震災後初の被災地での開催となったいわて国体。この国体で生まれた人の輪、培った経験が、今後の地域振興へ生かされることを期待したい。


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