盛岡タイムス Web News 2017年  1月  31日 (火)

       

■  〈おらがまちかど〉107 雫石町七ツ森地内 閉じこもり寝たきり予防 東町行政区 住民の絆で「うたごえ広場」(馬場恵)


     
  小原千里さん(右)のギター伴奏で歌を楽しむ、うたごえ広場のメンバー  
  小原千里さん(右)のギター伴奏で歌を楽しむ、うたごえ広場のメンバー
 

 「幸せなら手をたたこう、幸せなら手をたたこう、幸せなら態度で示そうよ、ほら、みんなで手をたたこう♪」…。

  「うたごえ広場」の、のぼり旗がはためく雫石町七ツ森の東町公民館。18日午後、地域の60〜80代の住民14人が集まり、歌声を響かせた。ギターで伴奏するのは行政区長の小原千里さん(63)。この日の最高齢者、瀬川ミエさん(85)は「家にいても、つまらない、みんなで声を合わせるのは本当に楽しい」と話す。妻の栄子さん(71)に誘われ、3回目の参加という佐々木秀二さん(79)も「人と交わるのは得意な方じゃないが、一度来たら、楽しみになった。男性にも、もっと来てほしい」と顔をほころばせた。

  東町公民館のうたごえ広場は2015年5月にスタート。月1回、行政区のうたごえ実行委員会の呼び掛けで集まり約1時間半、歌集を手に童謡や懐メロを歌う。少々、音が外れても、歌詞を忘れても気にしない。歌の合間にリハビリ体操にも挑戦。クリスマスやひな祭りなど手作りの季節行事も楽しむ。参加費は100円、子どもは無料だ。

  この日の休憩タイムには、「年女」という徳永恭子さん(83)が、酉(とり)の模様が付いた縁起物のキャンディーをみんなにお裾分け。徳永さんは「歌はいい。仲間になるのに言葉がいらない。人とつながりを持つためには、自分から少し前に出ることが大事」と、しゃきっとした表情で話した。

  東町の中心を成す住宅団地は昭和40年代、御所湖開発で水没する地域の住民移転先として造成された。ご多分に漏れず、少子高齢化が進み、一人暮らし世帯も目立つ。引きこもりや寝たきりを防ぐためにも、互いの顔が見える関係を作っていこうと、うたごえ広場を始めた。

  元町職員の小原さんは、同町中心部にある、まちおこしセンターしずく×CAN(しずく館)でも「うたごえ喫茶」を開いている。「出張を頼まれるが、それぞれの地域主導で受け皿を作ってもらうことにしている。それが長続きのこつ。伴奏には、いくらでも出向くので、各地に取り組みが広がってほしい」と願う。

  うたごえ広場実行委員の曽根田優子さん(73)はUターン組で一人暮らし。「同じ地域に住んでいながら知らない人が多かったが、これで知り合いが増えた。もっと早く始めておけば良かったと思うほど」と参加メンバーが、さらに増えることを望む。
     (馬場恵)


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