盛岡タイムス Web News 2017年  3月  31日 (金)

       

■  JR山田線 社会実験終え4便減 盛岡駅と上米内駅間 乗車200人の目標達せず 市とファンクラブは利用促進 山岸など沿線住民


     
   3月末で社会実験が終了し、平日夕・夜の4便が取り止めとなるJR山田線  
   3月末で社会実験が終了し、平日夕・夜の4便が取り止めとなるJR山田線  

 JR東日本盛岡支社と盛岡市が取り組んできたJR山田線の社会実験が3月末で終了し、盛岡駅と上米内駅間で増発されていた平日の夕・夜の上下線計4便が運転取り止めとなる。社会実験は、両駅間で朝と夕方の利用状況に乖離が見られたため、夕方の退勤時間帯の需要を見込み、2013年9月から往復2便の増発を実施してきた。午後6時台、同8時台の増発は、市街地に勤務先がある沿線の住民にとっては貴重な存在だったが、1日当たりの乗車人員200人増加の目標値には達しなかった。

  実験開始後の乗車人員調査は、14年上期、下期、15年上期、下期、16年6月、9月、11月の計7回行われた。調査では15年上期に目標値の半分の100人増を記録したのが最大値だった。一定の増加傾向が見られることなどを考慮し、当初は16年3月までだった実験は市がJRに要望して1年間延期されたが、16年に実施した3回の調査の平均は20人増にとどまった。

  この間、15年11月には沿線の上盛岡駅付近にあったIGRいわて銀河鉄道本社が青山に移転したほか、同12月には松草・平津戸間で発生した土砂崩れによる脱線事故で上米内駅と川内駅間の不通が発生するなど山田線をめぐる環境は変化した。

  一方、15年3月には山田線の利用促進や沿線地域の魅力発信に向けて、地域住民らで組織するJR山田線ファンクラブが結成された。沿線地域の魅力を掲載したマップ作製や盛岡駅での利用呼び掛け、環境美化活動、マップを活用した山岸駅周辺でのまち歩きなど、社会実験の目標達成に向けて活動を続けてきた。

  同クラブの豊村徹也会長は「地域住民の足である山田線を守り、山岸地区ににぎわいをとクラブを結成し、山岸駅の環境美化や利用促進活動に取り組み、2往復増便の常設ダイヤ化を目指してきた。IGR本社の移転や土砂崩れ脱線事故の発生、台風10号被害による川内・茂市間の不通など、山田線の利用環境は悪化した。JRでは松草・平津戸間の復旧工事完了時期を17年秋頃とし、震災で不通の宮古・釜石間の鉄道復旧工事も18年度内の三陸鉄道移管および開業に向けて進行中。今後もファンクラブを中心に山田線の利用向上に取り組みたい」とした。

  同社会実験では、上米内駅で増発便へ接続するバス運行も実施されてきたが、社会実験終了に伴い4月1日からは運行しない。市が上米内駅へ整備した駐車場、上盛岡、山岸、上米内の各駅に整備した駐輪場については継続して使用できる。

  盛岡市の千田敏建設部交通政策課長は「社会実験の利用者増加目標を達成できなかったことは残念ではあるが、一方でJR山田線ファンクラブなどのマイレール運動の広がりは成果であり、今後はこれらの運動の支援を継続し、山田線の利用促進を図っていきたい」と利用促進に向けた支援を続ける考えを示した。

  JR東日本盛岡支社は「列車の運行本数については、今後もお客様の利用状況や利便性を踏まえて検討し設定していく。今のところ盛岡市から何も話はいただいていないが、これまでも駅前周辺のイベントなどで協力してきた。今後も市から要請があれば可能なことは協力したい」とした。
(泉山圭)


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