盛岡タイムス Web News 2017年  4月 18日 (火)

       

■  漆器のある暮らし 安比塗企業組合 女性の視点生かし発信 


     
   安比塗企業組合としてスタートを切った代表理事の工藤理沙さんと岸田奈津希さん(左から)=安比塗漆器工房  
   安比塗企業組合としてスタートを切った代表理事の工藤理沙さんと岸田奈津希さん(左から)=安比塗漆器工房
 

 八幡平市の女性漆職人が立ち上げた安比塗企業組合(工藤理沙代表理事、組合員5人)が4月から活動を開始した。これまで八幡平市産業振興(同市松尾寄木)が運営していた安比塗漆器工房も独立して運営。専門性を生かしながら、安比塗の発信拠点として事業を進め、商品開発や人材育成にも力を入れる。工藤代表理事(37)は「女性の視点を生かし、使った人がうふふ≠ニ楽しくなるような漆器を目指したい。自然や食に恵まれた安代地区の魅力と合わせて発信できれば」と話している。

  組合員は、1983年に開設された安代町漆器センター(現・安代漆工技術研究センター、基礎課程2年)を修了した奈良県出身の工藤代表理事、八幡平市出身の藤森由美子さん(48)と豊原智美さん(40)、埼玉県出身の岸田奈津希さん(28)と、今年度新設の専攻課程(1年)に進んだ花巻市出身の佐々木春奈さん(22)の5人。佐々木さんは、同工房で消費者のニーズを意識した漆器作りや接客などを実地で学ぶ。

  「研修終了後の作家活動や独立を考えたとき、商品開発や展示企画、売り場での応対など学ぶことはたくさんある。全国に60人以上の修了生がいるが、安比塗の担い手を育てることはアフターケアの視点からもお客さまの安心につながる」と工藤代表理事。産地の活性化と「安比塗を長く使ってほしい」という職人の願いから、人材育成に寄与したいと考えている。

  組合員の岸田さんは「工房でお客さまに接することで、漆器に対する考え方が広がった。さらに技術を高め、独立も見据えて学んでいきたい」と話す。

  女性組合員の視点を生かした商品開発にも意欲。シンプルなデザインで塗りが美しく、堅牢(けんろう)な安比塗の器は、現代の食卓にもなじむ。

  「地元の食材を盛り付けて普段使いを提案するなどして、漆器は高価、扱いが面倒というマイナスイメージを払拭(ふっしょく)したい」。3月に東京・清澄白河のギャラリーで開いた安比塗の体験会では、漆器で料理を提供し、使い終えた器を洗って拭くところまで実演。20〜30代を中心とした参加者の関心を集めた。八幡平市内で開いた同市大更の酒造会社「わしの尾」のお酒と酒器を楽しむイベントも好評だった。

  工藤代表理事は「漆器を一つ食卓に加えるだけで、毎日のおみそ汁がよりおいしく感じられたり、心がほっとする時間が持てる。天然素材というところも安心感があり、子育て世代にもニーズがあると思う」と、可能性を感じている。

  同工房では年2回程度の展示会を考えており、6月16日から18日までの3日間は同市安代地区を中心に開かれる「あしろhana花フェスタ2017」(同実行委主催)と連動し、花器などを集めた展示会を開く予定。

  漆器の製造販売・修理は随時受け付け。漆塗り体験教室も実施している。

  問い合わせは、安比塗漆器工房(電話0195―63―1065)まで。午前9時半から午後5時。月曜休み。


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