盛岡タイムス Web News 2017年  5月 17日 (水)

       

■  JR田沢湖線 新駅1日1700人見込み 盛岡市総合交通施策懇話会 設置検討へ事業効果公表


     
   JR田沢湖線新駅設置による事業効果などが示された盛岡市総合交通施策懇話会  
   JR田沢湖線新駅設置による事業効果などが示された盛岡市総合交通施策懇話会
 

 JR田沢湖線の盛岡駅と大釜駅間への設置が検討されている新駅について、盛岡市は鉄道利用者数や自動車低減台数、盛岡市立高校までの所要時間の短縮など、新駅設置による事業効果の算出結果を公表した。2025年度時点の鉄道利用者数の予測では、1日当たりの乗車人員約1700人と、市内では岩手飯岡駅に次ぐ3番目に乗車人員が多い駅になると見込む。16日開かれた市総合交通施策懇話会で市が説明した。市は17年度にJRに委託して行う新駅の事業費の精査を踏まえ、次回の懇話会で事業の妥当性の検証を実施する。

  鉄道利用者数は、類似駅である大釜駅の駅勢圏人口に対する利用率を用いて前潟地区から他地区への交通(アクセス交通)に係る利用者数、商業施設の従業者および利用者を対象に実施した意向調査を基に算出した他地区から前潟地区への交通(イグレス交通)に係る利用者を合算した。その結果、新駅の1日当たりの乗車人員はアクセス交通1249人、商業施設従業者112人、商業施設利用者385人の計1746人が見込まれた。

  新駅設置により盛岡市立高の最寄駅が近くなることから見込まれる通学時間の短縮効果については、盛岡駅から自転車を利用した場合の27分に対し、盛岡駅から新駅まで鉄道を利用し、その後、自転車を利用した場合は23分と4分の短縮が図られると試算。長橋町から盛岡駅までの所要時間は、自家用車移動時が約23分に対し、鉄道移動の場合は約11分と12分の短縮が図られる見込み。

  自家用車から鉄道へ利用転換が図られることから見込まれる新駅設置による自動車交通低減量は、全体で1日当たり約1900台の低減が見込まれる。二酸化炭素排出削減量は、全体で年間約800dが見込まれ、もりおか交通戦略における目標値の約3割に相当する。

  定性的効果としては、他都市における新駅設置の事業効果の事例から、JR田沢湖線の新駅設置についても▽利便性が向上し他都市から人が流入することによる駅周辺の定住人口の増加▽商業施設へのアクセス性向上により駅周辺へのにぎわい空間の創出▽新たな施設等の立地▽地域拠点として持続可能で求心力のあるコンパクトな街の形成―などが期待できるとした。

  新駅設置をめぐっては、00年5月に地元7町内会から陳情書、08年10月に前潟新駅設置期成同盟会から要望書が盛岡市長に提出された。15年6月には町内会や商業施設などで組織するJR田沢湖線新駅誘致実現推進会が設立され、新駅誘致を要望する5千人を超える署名が市に提出されるなど、地域からの設置を求める声は大きい。

  一方で、新駅設置には多額の費用が掛かることが課題となっている。市によると13年度時点の試算では、新駅設置の概算事業費は鉄道施設工事費、開業設備費、駅前広場整備費で約7億3600万円が見込まれる。市は今回算出した事業効果に加え、17年度に実施する概算設計等による事業費の精査を踏まえ、事業の妥当性を評価。JRと協議をしながら事業の方向性を決めていく。


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